終活と老後の生活費は夫婦で月いくら?平均額と必要資金を徹底解説

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「終活を始めたいけれど、老後の生活費は夫婦で月いくら必要なのか分からない」と悩む方は少なくありません。結論からお伝えすると、夫婦2人の老後の生活費は、最低限の暮らしで月約23万9000円〜25万円、ゆとりある生活では月約39万1000円が平均的な目安です。年金収入だけではこの金額に届かないケースが多く、現役時代からの計画的な資金準備が欠かせません。

本記事では、生命保険文化センターや総務省統計局などの公的データをもとに、夫婦の老後の生活費の平均額、その内訳、年金受給額との差、そして終活を見据えた資金準備の具体的な方法までを丁寧に解説します。「老後2000万円問題」の実態や、住む地域・働き方による生活費の違い、医療・介護費の備えまで網羅しているため、これから終活を始める夫婦にも、すでに準備を進めている方にも役立つ内容となっています。読み終える頃には、ご自身の老後資金計画の道筋がはっきりと見えてくるはずです。

目次

終活とは何か──老後の生活費を「今」考える意味

終活とは、人生の最期に向けた準備を通じて、これからの生き方をよりよく整えていく活動のことです。かつては「死の準備」とネガティブに捉えられがちでしたが、現代では「今を見つめ直し、残りの人生をより豊かに過ごすための積極的な行動」として広く認知されるようになりました。

終活で扱うテーマは、財産の整理と棚卸し、遺言書の作成、老後資金の計画、身の回りの断捨離、デジタルデータの整理、医療・介護に関する意思表示、葬儀・お墓の希望整理、エンディングノートの作成、家族へのメッセージなど多岐にわたります。なかでも夫婦にとって最重要となるのが「老後の生活費をどう賄うか」という資金計画です。自分たちの収入と支出を正確に把握し、不足分をどう補うかを具体的に描くことが、安心したセカンドライフへの第一歩となります。

老後の生活費は夫婦で月いくら?平均データから読み解く

夫婦2人の老後の生活費は、最低限の暮らしで月約24万〜25万円、ゆとりある生活では月約39万円が平均的な水準です。公的調査の数字をもとに、それぞれを詳しく見ていきます。

最低限必要な老後の生活費は夫婦で月約23万9000円〜25万円

生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」では、夫婦2人で老後生活を送るうえで必要と考える最低日常生活費の平均は、月額23万9000円となっています。回答分布で最も多かったのは「20万円以上25万円未満」で、全体の26.7%を占めました。

また、総務省統計局の「2023年度家計調査報告(家計収支編)」によれば、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出(生活費)は月平均25万959円でした。これら2つのデータを総合すると、夫婦2人の最低限の老後生活費は月24万〜25万円程度が現実的な目安と考えられます。

ゆとりある老後生活費は夫婦で月約39万1000円

最低限の生活費に加え、旅行や趣味、孫への支援などを楽しむ「ゆとりある老後」を送るためには、月平均15万2000円の上乗せが必要とされています。最低生活費と合算すると、ゆとりある老後生活費の平均は月39万1000円となります。夫婦で豊かなセカンドライフを送るためには、月40万円前後の生活費を想定しておくことが望ましいといえます。

老後の生活費の内訳──何にどれだけかかるのか

夫婦2人で月25万円前後の生活費が、具体的にどのような項目に充てられているのかを把握することは、節約や資金計画の出発点です。主要な支出項目ごとに整理します。

食費は生活費の約29.1%・月7万円以上

生活費の中で最も大きな割合を占めるのが食費で、夫婦2人で月7万円以上かかる家庭が多いのが実情です。高齢者が負担に感じる支出のトップにも食費が挙げられており、その割合は59.4%にのぼります。食材の購入方法や外食の頻度を見直すことが、老後の家計改善に直結します。

交通・通信費は約12.2%・月3万円前後

スマートフォン料金、インターネット料金、交通費などを含む交通・通信費は、生活費の12.2%を占めます。高齢になると移動手段が変化するため、車の維持費を含めた交通費の見直しは、節約効果が大きい領域です。

住居費は平均月1万6000円前後(持ち家か賃貸かで大きく変動)

統計上の平均住居費は月1万6000円程度ですが、これは持ち家でローンが完済している世帯が多数を占めることが背景にあります。賃貸住まいの夫婦では、月5万〜10万円以上の家賃が老後も発生し続けるため、持ち家か賃貸かによって老後の生活費は大きく変わります。

医療費・介護費は予測しづらく余裕資金が必要

70歳以上になると医療費の自己負担割合は原則1〜2割に軽減されますが、入院時の差額ベッド代(1日5000円〜1万円程度)や保険適用外の先進医療費は全額自己負担となります。さらに介護が必要になった場合、在宅介護で月3万〜8万円程度、介護付き老人ホームでは月15万〜35万円程度の費用が発生します。医療・介護費は予測が難しいため、生活費とは別枠で余裕資金を確保しておくことが肝要です。

その他の支出(被服費・交際費・娯楽費)

被服費、交際費、娯楽費、冠婚葬祭費なども老後の支出に含まれます。孫へのプレゼントや旅行費用など、「老後ならではの楽しみ」にかかる支出を一定見込んでおくことで、現実的な生活費の試算ができます。

夫婦の年金受給額は平均いくら?モデルケース別の金額

老後の生活費の大部分は年金収入で賄うことになります。日本年金機構が発表した令和7年4月分の年金額をもとに、夫婦のパターン別に受給額を確認します。

パターン1:夫が会社員・妻が専業主婦の夫婦

最もオーソドックスなモデルケースです。

区分平均月額
夫(厚生年金)約16万9967円
妻(国民年金・基礎年金のみ)約5万7582円
合計約22万7549円

このモデルで老後の生活費月25万円をカバーしようとすると、毎月およそ2万〜3万円が不足する計算となります。

パターン2:夫婦ともに会社員(共働き)の夫婦

区分平均月額
夫(厚生年金平均)約16万7000円
妻(厚生年金平均)約10万7000円
合計約27万4000円

共働き夫婦は、年金収入だけで最低生活費を賄える可能性があります。ただし、ゆとりある生活費の月39万円には届かないため、貯蓄の取り崩しや資産運用が必要になります。

パターン3:夫婦ともに自営業・フリーランスの場合

区分平均月額
夫(国民年金)約5万7700円
妻(国民年金)約5万7700円
合計約11万5400円

自営業の夫婦は、月25万円の生活費に対し約13万5000円以上の不足が生じます。会社員と比べて年金額が少ないため、現役時代からの積極的な資産形成が不可欠です。

老後2000万円問題の実態と現在の意味

2019年に金融庁の金融審議会が公表した報告書をきっかけに「老後2000万円問題」が大きく話題となりました。報告書の試算は次の通りです。

項目金額
高齢夫婦無職世帯の毎月の平均収入約20万9000円
毎月の平均支出約26万4000円
毎月の赤字額約5万5000円

この毎月の赤字を補い続けると、20年で約1300万円、30年で約2000万円の資産取り崩しが必要になるという計算でした。これが「老後2000万円問題」の根拠です。

ただし、これはあくまで平均的なモデルケースに基づく試算です。実際には住んでいる地域、持ち家か賃貸か、健康状態、ライフスタイルによって必要額は大きく変動します。重要なのは「自分たち夫婦の老後にはいくら必要か」を個別に試算し、計画を立てることといえます。

終活費用の平均──葬儀・お墓にかかるお金

終活を考えるうえでは、日々の生活費だけでなく、人生の最期にかかる費用も視野に入れる必要があります。

葬儀費用の平均は約119万円

2024年の調査によれば、葬儀費用の全国平均総額は約119万円で、2022年調査の約111万円から増加しました。形式別の平均額は次の通りです。

葬儀形式平均費用
一般葬約161万3000円
家族葬約105万7000円
一日葬約87万5000円

これに加え、お布施(読経料・戒名料など)の平均は22万4000円、香典収入の平均は47万2000円でした。香典でカバーできる部分もありますが、不足分は遺族が用意することになります。

お墓・埋葬費用の平均は約135万円

新たにお墓を建てる場合の費用は平均135万1200円で、その後も毎年の管理費が発生します。近年は納骨堂や合葬墓、樹木葬など費用を抑えられる選択肢も広がっており、終活でお墓の希望を家族に伝えておくことは、残された家族の経済的・心理的負担を大きく軽減します。

終活費用の合計目安は約250万円

葬儀費用約119万円とお墓費用約135万円を合わせると、終活にかかる費用の目安は約250万円前後となります。この金額も老後資金計画に組み込んでおくことが望ましいといえます。

老後の生活費を抑える節約ポイント

年金収入だけで老後の生活費を賄いきれない場合、支出の見直しが重要となります。長期にわたって効果が続く節約ポイントを紹介します。

固定費の見直しが最優先

毎月必ず発生する固定費を削減できれば、節約効果は長期にわたって積み上がります。スマートフォンを大手キャリアから格安SIM(MVNO)に変更するだけで、月2000〜5000円以上の削減が可能です。また、子育てや住宅ローン返済を終えた老後は、現役時代ほど手厚い保険は必要でない場合が多く、保険の見直しによる節約余地は大きいといえます。65歳以上で所得要件を満たす場合には、NHK受信料の減免制度が利用できる場合もあります。

食費を工夫する

最も負担を感じやすい食費も、まとめ買いや食材の使い回し、自炊比率の引き上げ、外食頻度の見直しなどで削減が可能です。ただし、過度な節約は健康への悪影響につながりかねません。「健康を維持することが最大の節約」という視点を忘れずに、栄養バランスを保ちながら工夫することが大切です。

車の維持費を見直す

65歳を過ぎると運転機会が減る一方で、自動車保険・車検・ガソリン代・駐車場代といった維持費は毎月数万円に上ります。公共交通機関やタクシーを活用する生活へ切り替えることで、年間50万円以上の節約につながるケースもあります。

老後資金の準備方法──夫婦でできる資産形成

老後の生活費の不足分を補うためには、現役時代からの計画的な資産形成が欠かせません。代表的な制度の特徴を整理します。

iDeCo(個人型確定拠出年金)の活用

掛金が全額所得控除の対象となるため、現役期間中の節税効果が非常に高い制度です。加入可能年齢は65歳未満ですが、2027年からは70歳未満まで拡大される予定で、掛金の上限額も引き上げが見込まれています。

なお、iDeCoと退職金の受取時期を10年以上離さないと、退職所得控除をフル活用できない場合があるため、退職予定時期と照らし合わせた計画が必要です。

新NISA(少額投資非課税制度)の活用

2024年からスタートした新NISAでは、夫婦それぞれが年間360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)まで非課税で投資できます。夫婦合計では年間720万円の非課税枠を活用でき、老後の資産形成に非常に有効です。

iDeCoと新NISAの優先順位については、確実な節税効果があり期間限定の制度であるiDeCoを優先し、残った余裕資金で新NISAを活用するのが一般的な考え方です。共働き夫婦の場合は、収入・税率・加入状況に応じて最適な配分が変わります。

退職金の有効活用

会社員にとって退職金は老後資金の大きな柱となります。一括受取と年金形式の受取では税制上の扱いが異なるため、FP(ファイナンシャルプランナー)への相談を通じて最適な受取方法を選ぶことが重要です。

繰り下げ受給で年金額を増やす

年金の受給開始を65歳から遅らせる「繰り下げ受給」を選ぶと、1ヶ月繰り下げるごとに年金額が0.7%増加します。70歳まで繰り下げた場合は年金額が42%増となり、健康寿命が長く見込まれるケースでは繰り下げ受給が有利になることがあります。

老後の生活費は「住む場所」で大きく変わる

老後の生活費を考える際に見落としがちなのが地域差です。東京などの都市部と地方都市・地方在住では、月々の生活費に大きな開きがあります。

ある調査によれば、夫婦世帯の1ヶ月の生活費は東京で約19万9000円、地方で約14万0000円となっており、5万〜6万円もの差があります。最大の要因は住居費で、東京の夫婦世帯の住居費は約12万5000円、地方は約6万0000円と約2倍の開きがあります。

物価水準の差も生活費に影響します。東京都の消費者物価地域差指数は全国平均を100としたとき104.7と最高水準である一方、宮崎県などは96.1と低い水準にあります。

ただし地方では車の所有が必須となるケースが多く、地方の夫婦世帯の車所有率は約94.4%に達します。車の維持費は年間30万〜60万円程度かかるため、「地方の方が必ず生活費が安い」とは一概にいえません。老後の住まいをどこに置くかは、生活費の水準に直結する重要な選択といえます。

持ち家と賃貸の生涯コストの違い

持ち家でローンが完済していれば老後の住居費は大きく圧縮されますが、老朽化に伴うリフォーム費用(外壁・屋根・設備の交換など)が10年に一度100万〜200万円程度発生することもあります。賃貸の場合はリフォーム費用は不要ですが、毎月の家賃支払いが続く点を踏まえる必要があります。終活の一環として、住まいの形を夫婦で見つめ直すことが大切です。

平均寿命・健康寿命から考える老後の費用計画

老後の生活費を計算するうえで欠かせないのが「何年分の費用を準備するか」という視点です。厚生労働省のデータによれば、2022年の日本人の平均寿命は男性81.05歳、女性87.09歳でした。

加えて重要な指標が「健康寿命」です。健康寿命とは、日常生活を制限なく送ることができる期間を指し、2022年は男性72.57歳、女性75.45歳となっています。平均寿命と健康寿命の差(日常生活に支援が必要な期間)は、男性で約8.5年、女性で約11.6年にのぼります。女性は約12年間にわたり、何らかのサポートが必要な状態で生活する計算となります。

この「不健康期間」に発生する医療費・介護費は、老後の支出の大きな割合を占めます。一般所得者の場合、65歳から平均寿命までに支払う医療費の自己負担額は、男性で約176万円、女性で約191万円という試算もあります。介護費用については、介護期間の全国平均が4年7ヶ月、月額平均が7万8000円、住宅改修や福祉用具購入などの一時的費用の平均が69万円とされ、合計すると1人あたり約500万円、夫婦2人分では約1000万円規模の介護費用が必要となる可能性があります。

医療・介護費は事前に正確な額を読みにくいため、「いざというときの備え」として、生活費とは別枠で500万〜1000万円程度の緊急予備資金を確保しておくことが理想的です。

夫婦の老後資金シミュレーション──ケース別の必要額

代表的な夫婦のパターン別に、老後に必要な総資金を試算します。65歳で定年し、90歳まで25年間生きると仮定したケースです。

ケース月の生活費25年の生活費総額年金収入総額不足額終活費用含む準備目安
1:会社員+専業主婦・標準生活25万円7500万円6826万円674万円約924万円
2:会社員+専業主婦・ゆとり生活39万円1億1700万円6826万円4874万円約6124万円(医療介護費含む)
3:夫婦自営業・標準生活25万円7500万円3462万円4038万円5000万円以上

このように、ライフスタイルや職歴によって必要な老後資金は大きく異なります。重要なのは「自分たち夫婦のケースで計算する」ことです。日本年金機構の「ねんきんネット」で年金見込み額を確認し、現在の貯蓄・投資残高と照らし合わせながら、夫婦でリアルな試算を行うことをお勧めします。

老後の生活費に関するよくある誤解

老後の生活費を考える際、見落としや思い込みが資金不足の原因となるケースは少なくありません。代表的な誤解を整理します。

誤解1:「退職金があれば老後は安心」

退職金は確かに大きな資金ですが、大企業の定年退職時の退職金平均は約2000万円前後です。一見十分に見えても、老後25〜30年の生活費・医療費・介護費まで含めて賄うには不足する可能性があります。退職金はあくまで老後資金の一部と位置づけ、追加の資産形成と組み合わせることが必要です。

誤解2:「年金だけで暮らせるはず」

年金だけで老後の生活費を完全にカバーできる夫婦は、共働きで長期間会社員として働いたケースなど、ごく一部に限られます。前述のモデルケースが示すように、月数万円の不足が発生するのが現実です。

誤解3:「老後は支出が大幅に減るはず」

子育てや住宅ローンが終わると支出が減ると思いがちですが、旅行や趣味、医療費、孫へのプレゼントなど、老後ならではの支出が増えます。特に70代後半以降は医療・介護費が急増する傾向があるため、油断は禁物です。

誤解4:「終活は80代になってからでよい」

終活は早く始めるほど選択肢が広がります。60代であれば資産形成の時間的余裕があり、健康なうちに自分の意思を書面に残せます。認知症などで判断能力が低下してからでは、遺言書の作成や財産管理が困難になることもあるため、元気なうちから取り組むことが望ましいといえます。

夫婦で取り組む終活と老後資金計画の進め方

老後の資金計画は、夫婦が一緒に取り組むことで実効性が高まります。お金の話を避けず、早い段階からオープンに話し合うことが充実したセカンドライフへの近道です。

ステップ1:収支の「見える化」

現在の収入(年金見込み額・その他収入)と支出(生活費・固定費)を書き出し、老後の家計を試算します。日本年金機構の「ねんきんネット」を使えば、現在の年金見込み額を簡単に確認できます。

ステップ2:必要な老後資金の計算

老後の生活期間(例:65歳〜90歳の25年間)に必要な総額を試算します。月25万円の生活費なら25年で7500万円、年金収入が月22万円なら受取総額は6600万円となり、差額の900万円が不足額となります。これに終活費用約250万円を加えると、少なくとも1150万円程度の貯蓄・運用が必要という計算です。

ステップ3:資産の棚卸しと計画策定

現在の貯蓄額、iDeCo・新NISA残高、退職金見込み額などを整理し、不足額を補うための計画を立てます。必要に応じてFPへ相談すると、客観的なアドバイスが得られます。

ステップ4:エンディングノートの作成

財産の一覧、医療・介護に関する希望、葬儀・お墓の意向などをエンディングノートにまとめておきます。残された家族が困らないように重要な情報を整理しておくことが、終活の核心といえます。

夫婦で老後の生活費を話し合うときのポイント

お金の話は夫婦間でも避けがちなテーマですが、終活において最も大切なコミュニケーションの一つです。まずは「現状の把握」から始めましょう。それぞれの年金見込み額、貯蓄残高、投資資産、加入している保険などを一覧化します。どちらかが管理している資産をもう一方が知らないというケースは珍しくないため、財産の全容を共有しておくことが重要です。

次に「生活費の希望水準を擦り合わせる」ことです。旅行は年に何回行きたいか、趣味にどれくらいかけたいか、子や孫への支援をどうするかなど、二人の老後のビジョンを共有することで、必要な準備額の試算がスムーズに進みます。

医療・介護の意向を話し合うことも欠かせません。延命治療の希望、介護が必要になった場合に在宅か施設か、認知症になった場合の財産管理をどうするかなど、デリケートなテーマこそ元気なうちに意見交換しておく必要があります。成年後見制度や家族信託の活用も選択肢の一つです。

最後に「定期的に見直す」習慣を持つことが大切です。年金制度の改正や物価の変動、健康状態の変化などにより、計画は柔軟に更新する必要があります。年に一度、夫婦で老後の家計点検を行う習慣をつけることをお勧めします。

終活と老後の生活費を一緒に考える意義

終活と老後の生活費計画は、別々のテーマのように見えて深く結びついています。終活を通じて自分の財産・負債・保険・年金を棚卸しすることは、そのまま老後の生活費計画の基礎データになります。葬儀・お墓の希望を整理しておけば、終活費用を老後資金計画に組み込むこともできます。

人生100年時代といわれる現代、65歳で退職してから30〜40年という長い老後が続く可能性があります。その長い時間を豊かに過ごすためには、「お金の準備」と「人生の整理」を両輪で進めることが欠かせません。終活は決して暗い作業ではなく、自分の人生を振り返り、これからどう生きたいかを考え、家族への想いを言葉にする前向きな行動です。夫婦の絆を深め、より充実したセカンドライフをもたらす機会として活用してください。

まとめ:終活と老後の生活費・夫婦で備える月いくらの目安

老後の夫婦2人の生活費は、最低限の暮らしで月24万〜25万円、ゆとりある生活を送るには月約39万円が平均的な目安です。年金収入だけではカバーしきれない場合が多く、現役時代からの計画的な資産形成が欠かせません。

老後2000万円問題が示すように、何の備えもなければ資産が枯渇するリスクがあります。しかしiDeCoや新NISAを活用し、固定費を見直し、繰り下げ受給を検討するなど、できることは数多くあります。住む地域の選択、持ち家・賃貸の判断、車の維持費の見直しも、老後の生活費に大きく影響します。

医療・介護費は1人あたり約500万円、夫婦2人分では1000万円規模の備えが必要になる可能性があります。平均寿命と健康寿命の差(男性約8.5年、女性約11.6年)を踏まえ、不健康期間の費用も含めた長期的な計画が欠かせません。

終活は「死の準備」ではなく「残りの人生をよりよく生きるための準備」です。老後の生活費を正確に把握し、夫婦で話し合いながら資金計画を立てること──それが、豊かで安心なセカンドライフへの確かな道筋となります。年に一度の家計点検を習慣にし、必要に応じてFPへ相談しながら、二人の老後を着実に設計していきましょう。

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