70代の終活では、配食サービスの活用と各種契約の見直し・解約が重要な取り組みとなります。配食サービスは栄養バランスの整った食事を届けてくれるだけでなく、一人暮らしの高齢者にとって安否確認の役割も果たします。また、銀行口座やクレジットカード、生命保険、サブスクリプションサービスなどの契約を整理することで、不要な出費を減らし、残された家族への負担を軽減することができます。
70代は人生の大きな転換期であり、終活を始める最適な時期といえます。定年退職を経て自分の時間が増える一方、健康面での変化も感じ始める年代です。この時期に配食サービスを上手に活用することで、フレイル予防につながる栄養バランスの良い食事を継続的に摂取できます。同時に、長年にわたって契約してきた様々なサービスを見直し、本当に必要なものだけを残すことで、シンプルで安心な暮らしを実現できます。この記事では、70代の方が終活の一環として取り組むべき配食サービスの選び方や契約時の注意点、そして各種契約の見直しと解約の具体的な方法について詳しく解説していきます。

70代の食生活の現状と配食サービスの必要性
70代の一人暮らし高齢者の食生活には、深刻な問題が指摘されています。令和5年国民健康・栄養調査によると、65歳以上の高齢者で低栄養傾向にある方(BMI20kg/m2以下)の割合は、男性で12.2パーセント、女性で22.4パーセントに上りました。特に85歳以上ではその割合がさらに高くなっています。
一人暮らしの高齢者の食生活には「食生活の若者化」という特徴が見られます。20代の一人暮らしと同様に、孤食やメニューの偏り、不規則化といった傾向があり、家族と同居する高齢者よりも低栄養に陥りやすい状態にあります。高齢になると口腔内の歯の欠損や義歯の不適合、複数の薬剤の副作用による食欲低下、配偶者や知人との死別による精神的ストレスなど、様々な要因により食欲が減退します。また、独居や高齢者世帯という環境の変化、行動範囲の低下により、欠食や食物の摂取不足を招いているケースも少なくありません。
低栄養とフレイルの深い関係
低栄養はフレイルの大きな原因の一つです。フレイルとは、体重減少、疲れやすさの自覚、活動量の低下、歩行速度の低下、筋力低下の5項目のうち3項目以上に該当する状態を指します。フレイルは転倒や日常生活活動度の低下、入院、死亡などと関連があることが明らかになっています。
低栄養の状態が続くと、筋力・身体機能の低下、活動量の低下、食欲の低下、さらなる低栄養状態という悪循環に陥ります。この悪循環に入ると、健康状態は急速に悪化していきます。研究によると、半年以内に2から3キログラム以上の体重減少があった方、またはBMI18.5未満の方は、そうでない方に比べて3年以内に要介護になるリスクが1.7倍になることが報告されています。
フレイル予防のための食事のポイント
フレイル予防・改善には3つの重要な要素があります。第一に良質なたんぱく質をはじめとした栄養素をバランスよく摂る「食事(栄養)」、第二にその人の状態にあった適度な運動を続け筋力を維持する「運動(筋肉)」、第三に社会とのつながりを持つ「人との交流」です。
高齢期はたんぱく質が不足しがちなため、特に肉、魚、卵、牛乳などの食品からたんぱく質をしっかり摂ることが重要です。高齢者が1日に必要なたんぱく質量の目安として、体重1キログラムあたり1.0から1.2グラムが推奨されています。体重50キログラムの人なら50グラムから60グラムのたんぱく質が必要です。フレイル予防のためには、栄養バランスのとれた食事を1日3食、規則正しく摂取することが大切です。豆腐や納豆などの大豆製品、卵、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品を冷蔵庫に常備しておくこと、さばやいわしなど魚の缶詰を常備しておくことも有効な対策となります。
配食サービスとは何か
配食サービスとは、栄養バランスの整った食事を自宅まで届けてくれるサービスのことです。食材の買い出しや調理、後片付けの手間がなく、近所にスーパーマーケットや食材店がない方にとっては特に便利なサービスとなっています。
配食サービスの最大のメリットは、調理の時間と手間が省けることです。自分で調理するときはメニューを考えたり買い物に出かけたりする必要があり、実際の調理時間の数倍の時間がかかります。配食サービスを利用すれば、これらの負担から解放されます。
配食サービスを利用するメリット
配食サービスには多くのメリットがあります。まず、管理栄養士が監修したメニューが提供されるため、自分で栄養計算をする必要がなく、栄養バランスが整った食事を摂れる点が挙げられます。
次に、食事形態を選べる点があります。高齢になると咀嚼力や嚥下機能が低下し、窒息や誤嚥性肺炎のリスクが高まります。配食サービスでは、お粥や軟飯、きざみ食、ムース食など、個人の状態に合わせた食事形態を選ぶことができます。
また、療養食に対応しているサービスも多くあります。糖尿病、腎臓病、高血圧などの疾患を持つ方向けに、カロリー制限や塩分制限、たんぱく質調整などが施された食事を提供してもらえます。アレルギーがある場合も、原因となる食材を除いた調理をしてもらうことが可能です。
さらに重要なのが、安否確認サービスとしての役割です。配達時に必ず手渡しする事業者であれば、何かあった際にすぐに気付いてもらえます。呼び鈴を鳴らしても出ない、顔色が悪いなどの異変があれば、家族などの緊急連絡先に連絡してもらえるため、一人暮らしの高齢者にとって大きな安心感があります。
配食サービスのデメリットと注意点
一方で、配食サービスにはデメリットもあります。最も大きなデメリットは、自炊と比べてコストが高くなりやすい点です。毎日利用すると月額でかなりの金額になる場合があります。
また、冷凍タイプの配食サービスでは、冷凍庫のスペースが必要になります。大量に保管するには広いスペースが必要で、一人暮らし用の小型冷蔵庫では対応が難しい場合もあります。
食材や料理の好みが合わない可能性もあります。好き嫌いが激しい方は、配食される料理と好みが合わず、食べ残しが増えてしまうこともあります。
配食サービスは介護保険の対象にはならないため、全額自己負担となります。ただし、自治体によっては要介護認定を受けた人を対象に費用を一部負担してくれる場合があり、一食あたり400円から600円程度で利用できることもあります。お住まいの地域の制度を確認してみることをおすすめします。
高齢者向け配食サービスの特徴
高齢者向けの配食サービスは多数展開されています。それぞれのサービスには特徴があり、自分のニーズに合ったものを選ぶことが大切です。
ワタミの宅食は、高齢者向け宅食の分野で高いシェア率を誇る人気サービスです。2024年には累計8億食を突破しました。毎日スタッフが手渡しで配達する「対面配達」を行っており、食事の提供と同時に安否確認も行えます。不在時でも鍵付き安全ボックスで安全に受け取れ、高齢者の見守りサービスもオプションで利用可能です。人気メニューの「まごころおかず」は、1食あたり400キロカロリー基準で、1食分の野菜とタンパク質がしっかりとれるよう設計されています。
まごころ弁当は、利用者の身体状態や好みに合わせて「小町」「普通食」「カロリー調整食」「たんぱく調整食」「ムース食」の計5種類の食形態を日替わり献立で提供しています。食事形態の選択肢が豊富なため、咀嚼力や嚥下機能に不安がある方でも安心して利用できます。
まごころケア食は、「シルバーライフ」という会社が運営しており、高齢者向けの配食や介護施設への食材販売などを行っています。価格がリーズナブルで続けやすく、管理栄養士のもと作られた約80種類もの豊富なメニューがあります。定期コースなら初回限定で1食あたり190円からという価格設定も魅力です。
配食サービス契約時に確認すべきポイント
配食サービスを契約する際には、いくつかの重要なポイントを確認する必要があります。
第一に、配達エリアの確認です。配食サービス業者が直接配達する場合、配達可能エリアが限定されていることがあります。届けてほしい場所が対象エリア内かどうかを事前に確認しましょう。
第二に、サービス内容の確認です。提供される食事の種類、料金、配達頻度、安否確認の有無などを総合的に確認することが重要です。事前に試食を提供している業者もあるため、味や分量をチェックすることも可能です。
第三に、食事形態の確認です。自分の咀嚼力や嚥下機能に合った食事形態が選べるかどうかを確認しましょう。通常食、ミキサー食、ソフト食、ムース食、おかゆ食など、選択肢が豊富なサービスを選ぶと安心です。
第四に、療養食への対応です。持病がある場合は、その疾患に対応した療養食が提供されるかどうかを確認します。
第五に、解約条件の確認です。契約前に解約方法、解約期限、違約金の有無などを必ず確認しておきましょう。長期間利用する可能性があるため、解約時のことも事前に把握しておくことが大切です。
配食サービスの解約方法と注意点
配食サービスの解約は、オンライン対応のサービスが増え、スマートフォンで完結できるものが主流となっています。違約金や最低回数の縛りがないケースも多く、定期の停止・休止・退会を分けて用意しているサービスも増えています。
解約手続きにかかる時間は一般的に3分から5分程度ですぐに完了します。土日も対応してもらえるサービスが多いため、平日の連絡が難しい方でも安心です。
ただし、解約には重要な注意点があります。多くのサービスでは、お届け予定日の5日から7日前に発送の準備に入ります。解約や配達日の変更は、この期限より前に行わないと次回分が発送されてしまいます。
解約前に知っておくべき注意点として、まずポイントやマイルの消滅があります。継続コースをやめると、貯まっていたポイントやマイルがリセットされてしまうことが多いです。
また、解約と休止・スキップの違いを理解しておくことも大切です。「停止=一時的な中断」「解約=継続の終了」と覚えておくと迷いません。完全解約の前に休止やスキップを活用すると、後から再開がスムーズになります。ポイントや特典は解約時に失効する場合があるため、解約前にポイントを消化し、その後休止で様子を見るのが無難な選択です。
70代が契約を見直すべき理由
70代は終活開始のリミットともいえる時期です。最低でもこの時期に終活を始めなければ、体が衰えて作業が難しくなるか、先に寿命を迎えてしまう可能性があります。
70代に入ると、長年連れ添った配偶者に先立たれる可能性も出てきます。配偶者の他界は終活の契機となり、子供や親族から同居や支援の提案があれば真剣に検討することがおすすめされます。
この時期に各種契約を見直すことで、不要な出費を減らし、残された家族への負担を軽減することができます。また、自分自身の財産状況を把握することで、老後の生活設計がより明確になります。
見直すべき契約の種類
終活において見直すべき契約には様々なものがあります。
まず、銀行口座です。名義人が亡くなると口座は凍結され、お金を動かすのに手間と時間がかかります。残高をまとめたり、不要な口座は解約したりして整理しておくことが大切です。
次に、クレジットカードです。使っていないカードは年会費が発生している場合もあり、解約しておくことで無駄な出費を防げます。
生命保険も重要な見直し対象です。契約時から状況が変わっている場合は、受取人の変更や保障内容の見直しを検討しましょう。
サブスクリプションサービス(定額制サービス)も要注意です。音楽配信、動画配信、新聞・雑誌のデジタル版など、使っていないサービスに料金を払い続けているケースがあります。
携帯電話やインターネットの契約も確認が必要です。使わない機能やオプションに料金を払っている可能性があります。
生命保険の見直しポイント
70代・80代になると、保険の見直しは特に重要になります。シニア世代は住宅ローンが終わり、子どもが独立するなど生活に必要なお金が減る一方で、病気のリスクは上がります。亡くなったときにいくら残すかよりも、生きている間にお金が枯渇しないようにしておくことが大切です。
保険見直しの方法としては、「保険金を減額する」方法や「転換」などがあります。例えば、死亡保険金2000万円の契約を500万円だけ解約して1500万円にする方法があり、この場合は解約返戻金が発生すれば受け取ることができます。付加している特約を解約することで、保障と保険料負担を適正化することも可能です。
払い済み保険への変更という選択肢もあります。例えば500万円の終身保険を払済保険に切り替えた場合、保険期間は一生涯のままですが、保険金額は100万円から200万円に減ります。以後の保険料支払いは不要となり、保険会社所定の利率で解約返戻金は増え続けます。ただし、特約は消滅するため注意が必要です。
70歳払込満了の終身保険に医療保障などの特約をセットしていた場合は、保険料の払込満了と同時に特約の保障期間が終わってしまうのが一般的です。死亡保障は終身で続くため、特約も含めてすべての保障が一生涯続くと誤解しがちなので注意が必要です。
サブスクリプション・定期購入の見直し
国民生活センターによると、2024年度の定期購入に関する相談件数は8万9千件以上で、前年度の約8万件から約1万件増加しました。「解約したいのにできない」「解約したつもりが料金が引き落とされ続けていた」というトラブルが深刻化しています。
サブスク契約は、解約手続きを行わない限り、実際にサービスを利用しなかったとしても契約期間中は料金が発生し続けます。使っていないサービスがないか、定期的に確認することが重要です。
解約トラブルを防ぐためのポイントとして、まず申し込みの際の最終確認画面をスクリーンショットで保存しておくことが挙げられます。これはトラブルに発展した際の証拠となります。
事業者の連絡先がわかる場合は、すぐに解約の意思を申し出ましょう。連絡先がわからない場合は、クレジットカード会社に相談することも一つの方法です。
「請求に納得できない」「連絡がとれない」などのトラブルが生じた場合には、すぐに最寄りの消費生活センターに相談しましょう。全国共通の電話番号「消費者ホットライン188(いやや)」で相談窓口につながります。
デジタル終活の重要性
国民生活センターは2024年11月に「今から考えておきたいデジタル終活」という注意喚起を発表しました。死亡時にデジタル遺品を残す人が増えることが予想され、デジタル終活の必要性が高まっています。
デジタル遺品に関する相談の中には、遺族が契約内容の確認や解約をしたくても、IDやパスワードの手がかりがないために手続きに困るケースが見られます。
デジタル終活として取り組むべきことは、使っているアプリやサービスの「契約の棚卸し」です。もしもの時、遺族がスムーズに契約を解約できるように、各サービスのログイン情報を見える化し、終活ノートに一覧で記しておくことが推奨されています。
故人が残したネットの定額有料サービスを止めるには、多くの場合IDとパスワードが必要です。これらの情報を家族が把握できる状態にしておくことが重要です。
契約解約の具体的な手続きと流れ
契約を解約する際の一般的な流れを理解しておきましょう。
まず、契約内容を確認します。契約書や利用規約を読み、解約条件、解約期限、違約金の有無などを確認します。
次に、解約方法を確認します。オンラインでの解約が可能か、電話連絡が必要か、書面の提出が必要かなど、サービスによって異なります。
解約手続きを行った後は、解約完了の確認が重要です。解約完了画面や完了メールが届くまで、確実に処理を行いましょう。
最後に、クレジットカードの明細などで、料金の引き落としが止まっているかを確認します。
高齢者の消費者トラブルと対処法
消費生活センターに寄せられる契約当事者が70歳以上の相談件数は、年間で20万件近くに上ります。一人暮らしの高齢者は、親切に何度も電話や訪問をしてくれる業者に好意を持ちやすく、悪徳業者はそこにつけこんで高額な商品やサービスの契約をさせることがあります。
訪問販売で問題のある契約をしてしまった場合、クーリングオフ制度を利用できる可能性があります。クーリングオフとは、申込みや契約をした後で、書面を受け取ってから一定の期間(訪問販売については8日)内に無条件で解約できる制度です。
重要なのは、クーリングオフの期間は「買った日」ではなく「契約書(法定書面)を受け取った日」が起算日となる点です。訪問販売の業者から契約書を受け取っていない場合は、クーリングオフ期間のカウントが始まっていないため、購入から8日を過ぎていてもクーリングオフが可能な場合があります。
クーリングオフ期間が過ぎてしまっても、勧誘時に嘘の説明をされ、それが事実であると信じて契約した場合などは、消費者契約法により契約の取り消しができることがあります。
認知症と契約の問題
原則として、認知症などで判断能力が衰えた方でも、いったん締結した契約を取り消すことは難しいとされています。ただし、契約時に契約者に意思能力がない場合には、その契約は無効になります。
成年後見制度の利用を開始した後は、後見人は本人がした契約などの法律行為を無条件に取り消すことができます。認知症の家族が高額商品の契約をしてしまった場合には、この制度の活用を検討しましょう。
将来の被害を未然に防ぐために、本人の心身の状態に合わせて成年後見制度、任意後見制度、ホームロイヤーなどを利用することにより、高齢者の財産を守ることが考えられます。
認知症による口座凍結のリスクと対策
家族が認知症になると、多くの場合、金融機関の口座は凍結されます。これにより「親の口座にはお金があるのに引き出せず、子どもが代わりに医療費や介護費の支払いを立て替えなければならない」といったトラブルが発生することがあります。
口座凍結のタイミングは、本人が認知症になったことを「銀行が知った時点」です。銀行窓口での手続きの際に認知症であることが判明したり、ATMの操作ができなくなったりすることで発覚するケースが多いとされています。
認知症に備えた事前対策にはいくつかの方法があります。代理人指名手続・代理人カードは、預金者本人に判断能力がある間に銀行窓口で手続きをしておく方法です。70歳を過ぎた親のことが心配になってきたら、話し合って手続きをしておくことがおすすめです。代理人カードを持つ家族が、本人に代わって生活費や医療費の支払いなど必要な支出を行うことができます。
ただし、代理人カードには限界があります。本人が認知症と判断されると銀行は預金口座を凍結し、この時点で代理人カードも使用できなくなるためです。
家族信託は、本人と受託者の契約により本人の財産管理を受託者に任せる制度です。信頼できる家族にお金の管理権限を与えておけば、認知症発症後もスムーズに金銭の管理作業を引き継ぐことができ、口座凍結後も本人名義の預貯金を引き出すことが可能です。
ただし、家族信託は本人が契約当事者になるため、本人の判断能力が求められます。認知症が進行した後では契約が組めなくなる可能性が高いため、興味がある方は早めに行動する必要があります。
任意後見制度は、将来判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に、生活、療養介護、財産管理に関する事務について代理権を与える契約です。公正証書によって締結する必要があります。
認知症で判断能力を失ってしまった場合や、認知症によって預金が引き出せなくなってしまった場合は、「成年後見制度(法定後見)」を利用して本人の預金を引き出せるようにします。これは、判断力のない人に代わって家庭裁判所が適切な支援者(法定後見人)を選ぶ制度です。成年後見人は、本人の財産管理や契約行為の代理を行うことができます。これにより、必要な医療費や介護費の支払い、不要な契約の解約などが可能になります。
エンディングノートを活用した契約情報の管理
エンディングノートとは、終末を迎えるにあたって、残された家族に対し自分の考えを伝えることや、残りの人生をより良いものにするために使われるノートです。自分の終末医療に対する考え方、財産処理に対する思い、残りの人生で達成したいことなどを記録することが多いです。
エンディングノートは遺言書のように法的効力を持たないため、遺産や相続に関することを記述する場合には注意が必要です。法的な効力が必要な内容については、別途遺言書を作成することをおすすめします。
契約情報の記録方法
エンディングノートには、現在契約中のサービスをすべてリストアップし、解約方法やデータのバックアップ方法、換金方法などを詳細に記録しておくことをおすすめします。
記録すべき契約・財産情報として、銀行口座と預貯金の情報、証券会社の口座や株式、暗号資産などの金融資産、満期保険金や解約返戻金がある養老保険や終身保険、個人年金保険など資産性のある保険契約、クレジットカードやサブスクリプション等の定額サービス、携帯電話の契約情報、パソコンのプロバイダ名、メールアドレス、ホームページのIDなどがあります。
クレジットカードやサブスクリプション等の定額サービスは、本人でなければわかりにくい契約情報です。放置しておくと延々と請求が続くこともあるため、契約先や解約の方法、ID・パスワードの保管場所などを記録しておきましょう。
エンディングノートの書き方のポイント
エンディングノートの作成方法や書く内容は、遺言書のように決まりがないため自由です。随時書くことを思いついた際に書き足したり修正したりすることも可能です。書店や文具店で売られている市販のものや、インターネットでダウンロードしたテンプレートを使っても問題ありません。
書き方のポイントとして、テーマ別に用紙を分け、「医療・介護」「契約情報」「メッセージ」などインデックスで整理すると見返しやすくなります。
注意点として、エンディングノートの紛失を想定したうえで記入することが大切です。銀行口座の暗証番号やクレジットカード番号などをすべて記入すると、不正に利用されてしまう恐れがあります。家族に存在を伝えられる範囲の情報にとどめ、詳細は別の安全な場所に保管するなどの工夫が必要です。
終活における断捨離と身辺整理
終活で断捨離を行うと物量が減り、それを管理する手間も減ります。生活空間が物であふれていると、どこに何があるかを把握しきれず、探し物に時間を費やしたり、既に持っている物を再び買ってしまったりといった無駄が生じます。
終活における断捨離は、自己の価値観を再確認し、余計なストレスを減らすことで、より充実した人生を送るための重要なステップです。
断捨離の進め方
断捨離のポイントは、気軽に捨てられるものから処分していくことです。1年間使っていないものを見つけた場合は、特段の思い入れがない限り捨ててよいとされています。
捨てるものと捨てないものの判断基準は、「今必要かどうか」が基本です。いつか使うかもしれないと思っていても、何年も使った記憶がない場合は不要である可能性が高いです。
ただし、先祖代々から受け継いできたものは、「生活になくても問題がない」と思っても安易に捨ててはいけません。家系史料などに学術的な価値があったり、骨董品に思わぬ価値が備わっていたりするケースもあります。判断に迷う場合は、専門家に相談することをおすすめします。
契約関連の身辺整理
銀行口座やクレジットカード、保険などの契約関連、SNSやインターネットバンキングといったデジタルデータについても身辺整理の対象となります。不要な契約を解約したり、ID・パスワードを整理したりしておくことで、不正利用などのトラブル防止につながります。
生前整理を進めるにあたってまず行うべきなのが、財産目録の作成です。はっきりと把握できている財産状況を洗い出して目録として書き出すことが大切です。
70代の終活で配食サービスと契約見直しに取り組む意義
70代の終活において、配食サービスの活用と各種契約の見直し・解約は非常に重要なテーマです。
配食サービスは、栄養バランスの整った食事を手軽に摂れるだけでなく、安否確認サービスとしての役割も果たします。一人暮らしの高齢者にとって、フレイル予防と安心・安全な生活を両立させる有効な手段となります。契約時には、配達エリア、食事形態、療養食への対応、解約条件などをしっかり確認しましょう。
契約の見直しについては、銀行口座、クレジットカード、生命保険、サブスクリプションサービスなど、不要なものは整理し、必要な情報はエンディングノートに記録しておくことが大切です。特にデジタル終活は、遺族への負担軽減のために欠かせない取り組みとなっています。
また、認知症に備えた事前対策として、代理人制度や家族信託、任意後見制度などの活用を検討することをおすすめします。判断能力がしっかりしているうちに準備を進めることで、将来の不安を軽減することができます。
70代は終活を始める最適な時期です。気力・判断力があるうちに、一つずつ取り組んでいきましょう。家族と話し合いながら進めることで、より安心で充実した老後を送ることができます。









コメント