遺言執行者の費用・報酬相場は?指定方法と専門家別に徹底比較

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遺言書における遺言執行者の指定にかかる費用・報酬の相場は、依頼先によって大きく異なり、行政書士で20万円〜40万円程度、司法書士で20万円〜75万円程度、弁護士で30万円〜100万円以上、信託銀行で100万円〜300万円以上が一般的な目安です。遺言執行者とは、遺言書の内容を確実に実現するために、相続財産の管理や名義変更、分配などの手続きを行う人のことを指します。遺言書に遺言執行者をあらかじめ指定しておくことで、相続手続きがスムーズに進むだけでなく、相続人間のトラブルを未然に防ぐ効果も期待できます。

遺言執行者を専門家に依頼する場合、弁護士、司法書士、行政書士、税理士、信託銀行など依頼先の選択肢は多岐にわたり、それぞれ報酬体系や得意分野が異なります。この記事では、遺言執行者の基本的な知識から指定方法、専門家ごとの費用・報酬の相場、費用を抑えるためのポイント、さらにはトラブル対処法まで幅広く解説します。遺言書の作成を検討している方にとって、最適な判断材料となる情報をお届けします。

目次

遺言執行者とは?遺言書で指定する意味と役割

遺言執行者の定義と法的な根拠

遺言執行者とは、遺言の内容を実現する者のことです。民法第1012条では、遺言執行者は「遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する」と定められています。つまり、遺言執行者は遺言者の意思を代わりに実行する役割を担い、相続が開始されると遺言書の内容に従って財産の調査、目録の作成、名義変更、分配などの手続きを行います。

遺言執行者になれる人の要件

遺言執行者には、未成年者と破産者以外であれば誰でもなることができます。相続人自身が遺言執行者になることも可能ですし、弁護士や司法書士などの専門家を指定することもできます。また、法人を遺言執行者に指定することも認められています。ただし、実際には相続手続きの知識や経験が求められるため、手続きに不慣れな個人が遺言執行者を務めると、手続きが滞ったりトラブルに発展したりする可能性がある点には注意が必要です。

遺言書に遺言執行者の指定が必要となるケース

遺言執行者の選任が法律上必要となるケースは、主に2つあります。1つ目は、遺言書の中で婚外子(非嫡出子)を認知する旨の記載がある場合で、遺言執行者が市区町村役場に認知届を提出する必要があります。この手続きは遺言執行者でなければ行うことができません。2つ目は、特定の推定相続人の相続権を剥奪する「廃除」の意思表示がある場合で、遺言執行者が家庭裁判所に廃除の申立てを行う必要があります。

上記以外にも、遺産の規模が大きく手続きが複雑になることが予想される場合、不動産が複数ある場合、相続人の数が多い場合、相続人間で意見の対立が予想される場合、相続人以外の第三者に遺贈する場合には、遺言執行者を選任しておくことが強く推奨されます。

遺言書で遺言執行者を指定する具体的な方法

遺言書での直接指定による方法

遺言書で遺言執行者を指定する最も一般的な方法は、遺言書の中で直接指定する方法です。遺言書に「遺言執行者として次の者を指定する」と記載し、指定したい人の氏名、生年月日、住所などを併記します。専門家を指定する場合は、職業(弁護士、司法書士など)も記載するのが一般的です。

具体的な記載例としては、「第○条 遺言者は、この遺言の執行者として、次の者を指定する。住所 東京都○○区○○町○丁目○番○号 職業 弁護士 氏名 ○○○○ 生年月日 昭和○○年○月○日」といった文言を用います。

第三者への指定委託と予備的な遺言執行者の指定

遺言書の中で遺言執行者を直接指定するのではなく、「遺言執行者を決めてもらう人」を指定するという方法もあります。これは遺言者が信頼できる人物に遺言執行者の選定を委ねるものです。

また、遺言で指定した遺言執行者が遺言者より先に死亡したり、就任を辞退したり、意思能力を喪失したりする可能性に備えて、予備的な遺言執行者を指定しておくことも重要です。記載例としては「遺言者は、この遺言の執行者として、妻○○○○を指定する。○○○○が死亡しているとき、又は就任を辞退したときは、○○○○を遺言執行者に指定する」といった文言を用います。

家庭裁判所への遺言執行者選任申立て

遺言書に遺言執行者の指定がない場合や、指定された遺言執行者が死亡・辞退した場合には、家庭裁判所に遺言執行者選任の申立てを行うことができます。申立てができるのは、相続人、受遺者、遺言者の債権者などの利害関係人で、申立先は遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所となります。

申立てに必要な費用は、遺言書1通につき収入印紙800円と連絡用の郵便切手代です。必要書類としては、申立書のほか、遺言者の死亡の記載のある戸籍謄本、遺言執行者候補者の住民票または戸籍附票、遺言書の写しまたは検認調書謄本の写し、利害関係を証する資料などが求められます。申立てから選任までの期間は、照会書が裁判所に返送されてから1〜2週間程度で審判書が届くのが一般的です。

なお、自筆証書遺言が自宅で保管されていた場合は、遺言執行者の選任申立ての前に家庭裁判所での検認手続きを経る必要があります。

遺言執行者の具体的な業務内容と手続きの流れ

遺言執行者に選任された場合の業務は、大きく6つの段階に分かれます。

まず就任の承諾と通知を行います。遺言執行者に指定された人は就任を承諾するか辞退するかを選択でき、就任を承諾した場合は「就任通知書」を作成して遺言書の写しとともに相続人および包括受遺者全員に送付します。これは民法第1007条に定められた義務です。

次に相続人の調査を行います。被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取り寄せ、法定相続人を確定させます。遺言書に記載された相続人以外に見落とされている法定相続人がいないかを確認する重要な作業です。

続いて相続財産の調査を実施します。預貯金、不動産、有価証券、保険、自動車などのプラスの財産だけでなく、借入金や未払い金などのマイナスの財産も調査対象となります。不動産については市区町村役場で名寄帳を取得し、預貯金については金融機関に口座の有無を確認して残高証明書を取得します。

その後、財産目録の作成と交付を行います。相続財産の調査結果に基づき、プラスの財産とマイナスの財産を一覧にまとめた相続財産目録を作成し、相続人および包括受遺者全員に交付しなければなりません(民法第1011条)。なお、相続人から請求があった場合は、相続人立会いのもとで相続財産目録を作成するか、公証人に作成してもらう必要があります。

そして遺産の分配と名義変更の段階に入ります。遺言書の内容に沿って、不動産の所有権移転登記、預貯金の解約および払戻し・名義変更、有価証券の名義変更、貸金庫の開扉および契約の解約など、指定された財産を指定された相続人や受遺者に分配します。

最後に完了報告を行います。すべての業務が完了したら、遅滞なくその経過と結果を相続人や包括受遺者に報告し、遺言執行者の任務は終了となります。

遺言執行者の費用・報酬の相場を専門家別に徹底比較

弁護士に遺言執行者を依頼する場合の費用・報酬相場

弁護士に遺言執行者を依頼する場合の報酬相場は、30万円〜100万円以上です。多くの弁護士事務所では、かつて日本弁護士連合会が定めていた「旧日本弁護士連合会弁護士報酬基準」を参考に報酬額を設定しています。この基準は2004年(平成16年)に廃止されましたが、現在でもほとんどの弁護士がこの規定に近い報酬体系を採用しています。

旧弁護士会報酬基準に基づく遺言執行者の報酬は、遺産の経済的利益の額に応じて定められています。

遺産額報酬額
300万円以下30万円
300万円超〜3,000万円以下遺産額の2%+24万円
3,000万円超〜3億円以下遺産額の1%+54万円
3億円超遺産額の0.5%+204万円

例えば遺産額が5,000万円の場合、報酬額は5,000万円×1%+54万円=104万円となります。弁護士に依頼する最大のメリットは、相続人間で紛争が生じた場合にも法的な対応が可能である点です。遺産分割で揉めることが予想される場合には、弁護士を遺言執行者に指定しておくと安心です。

司法書士に遺言執行者を依頼する場合の費用・報酬相場

司法書士に遺言執行者を依頼する場合の報酬相場は、20万円〜75万円程度です。司法書士連合会には遺言執行報酬についての統一的な規定がないため、各事務所が独自に報酬を設定しています。一般的には遺言執行の対象となる積極財産の総額の1%程度に設定している事務所が多く、最低報酬額は30万円前後とするところが多くなっています。司法書士に依頼する最大のメリットは、不動産の名義変更(所有権移転登記)を直接行うことができる点です。遺産に不動産が多く含まれる場合には、司法書士を遺言執行者に指定するのが効率的です。

行政書士に遺言執行者を依頼する場合の費用・報酬相場

行政書士に遺言執行者を依頼する場合の報酬相場は、20万円〜40万円程度です。統計によると、行政書士の遺言執行報酬は20万円〜40万円の間に集中しており、全体の約42%がこの価格帯に収まっています。多くの事務所では基本報酬20万円〜30万円に加え、相続財産の0.5%程度の報酬を上乗せする体系を採用しています。他の士業と比較して依頼しやすい価格である一方、行政書士には不動産登記の代理権がないため、不動産の名義変更が必要な場合には別途司法書士に依頼する必要があります。また、相続人間で紛争がある場合の法的対応も業務範囲外となります。

税理士に遺言執行者を依頼する場合の費用・報酬相場

税理士に遺言執行者を依頼する場合の報酬相場は、基本料金が50万円程度に加え、財産総額の0.5%〜2%程度の報酬が発生するのが一般的です。税理士に依頼するメリットは、相続税の申告を見据えた遺言執行が可能である点です。遺産額が大きく相続税の申告が必要となる場合には、相続税対策も含めた効率的な遺言執行が期待できます。

信託銀行に遺言執行者を依頼する場合の費用相場

信託銀行に遺言執行者を依頼する場合の費用は、他の専門家と比較して最も高額となる傾向にあり、最低でも100万円以上、場合によっては200万円〜300万円以上の費用がかかります。主要な信託銀行の費用体系は以下の通りです。

項目三菱UFJ信託銀行三井住友信託銀行
基本手数料(遺言書作成時)約33万円(税込)約33万円(税込)
遺言書保管料(年間)約5,500円(税込)6,600円(税込)
遺言書変更手数料約5万5,000円(税込)約5万5,000円(税込)
遺言執行報酬(最低額)165万円(税込)108万円(税込)

信託銀行に依頼するメリットは、組織として対応するため担当者の死亡や病気による業務中断のリスクが低い点と、長期にわたる遺言書の保管・管理サービスが充実している点です。一方、費用が高額であること、紛争時の法的対応ができず別途弁護士への依頼が必要になること、遺言の内容に制限がある場合があることがデメリットとして挙げられます。

個人が遺言執行者となる場合の報酬

相続人や親族など個人が遺言執行者となる場合は、報酬を無報酬とすることも可能です。遺言書に報酬の定めがなく、遺言執行者が報酬を求めなければ報酬は発生しません。ただし、遺言執行者が報酬を請求したい場合は、家庭裁判所に報酬付与の審判を申立てることができ、裁判所が遺産の種類や量、遺言執行の難易度、遺言執行者が費やした労力などを総合的に考慮して相当な報酬額を決定します。

遺言執行者の費用・報酬相場の専門家別比較一覧

遺言執行者の報酬相場を専門家別にまとめると、以下の通りです。

依頼先報酬相場特徴・メリット
行政書士20万円〜40万円程度費用が最も安く、シンプルな遺産構成に適している
司法書士20万円〜75万円程度不動産の名義変更を直接行うことができる
弁護士30万円〜100万円以上相続人間の紛争に法的対応が可能
税理士50万円〜100万円程度相続税の申告を見据えた遺言執行が可能
信託銀行100万円〜300万円以上組織的な対応で長期的な管理に優れている

遺言執行者の報酬は誰が負担するのか

遺言執行者の報酬は、相続財産から支払われるのが原則です。民法第1021条では「遺言の執行に関する費用は、相続財産の負担とする」と規定されており、遺言執行に関する費用には遺言執行者の報酬も含まれると解されています。したがって、特定の相続人が個人的に負担するものではなく、相続財産全体から差し引かれることになります。

遺言執行者の報酬の支払い時期と決定方法

報酬の支払い時期は、原則としてすべての業務が完了してから受け取ることになります。具体的には、遺言執行者が遺産の中から自らの報酬を差し引いた上で、残りの遺産を相続人に分配するのが一般的な流れです。ただし、遺言執行者と相続人との話し合いにより、前金や半金を支払うケースもあります。

報酬額の決定は、まず遺言書に報酬額の定めがあればその金額に従います。遺言書に定めがない場合は、遺言執行者と相続人の間で協議して合意を目指します。合意に至らない場合は、遺言執行者が家庭裁判所に報酬付与の審判を申立てることができ、裁判所が遺産の内容や遺言執行の難易度、費やした労力などを総合的に考慮して報酬額を決定します。

遺言書で遺言執行者を指定するメリットとデメリット

遺言書に遺言執行者を指定することには、メリットとデメリットの両面があります。

メリットとしてまず挙げられるのは、相続手続きがスムーズになる点です。遺言執行者が相続人を代表して手続きを進めるため、相続人一人ひとりが各種手続きに関与する必要がなくなり、手続きの負担が大幅に軽減されます。また、遺言執行者が選任されていれば、預貯金の解約や不動産の名義変更などの手続きにおいて他の相続人の印鑑証明書を取り付ける必要がなく、遺言執行者単独で手続きを進められます。さらに、遺言執行者が中立的な立場で手続きを進めることで相続人間の感情的な対立を回避でき、遺言書の内容が確実に実行されるという大きな利点があります。

一方、デメリットとしては、専門家を遺言執行者に指定した場合に報酬が発生する点が挙げられます。前述の通り、専門家によっては高額な費用がかかる場合があります。また、遺言執行者が手続きに不慣れな場合や多忙な場合にはかえって手続きに時間がかかることがあり、遺言書の内容と相続人の意向が異なる場合には遺言執行者と相続人との間で軋轢が生じる可能性もあります。

遺言書の種類と遺言執行者の費用への影響

遺言書には主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類があり、どちらの遺言書であっても遺言執行者を指定することが可能です。それぞれの特性を理解した上で遺言執行者の指定を検討することが重要です。

自筆証書遺言は、遺言者本人が全文、作成日付および氏名を自書し押印して作成する遺言書です。費用をかけずに作成できるメリットがある一方、法律的に不備な内容になる危険性や方式不備で無効になるリスクがあります。自筆証書遺言の場合、遺言者の死後に家庭裁判所での検認手続きが必要です。ただし、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用した場合は検認が不要となります。遺言書自体が無効と判断されれば遺言執行者の指定も無効となるため、法的有効性にも十分な注意が必要です。

公正証書遺言は、遺言者が内容を公証人に口述し、公証人が遺言書を作成するもので、証人2人以上の立会いが必要です。作成に費用がかかりますが、公証人が関与するため方式の不備で無効になるおそれが低く確実性が高いのが特徴です。検認手続きが不要であるため、遺言執行者は相続開始後に速やかに業務を開始できるメリットがあります。また、公正証書遺言の作成時に公証人から遺言執行者の指定についてアドバイスを受けることもできるため、適切な遺言執行者の選定にも役立ちます。

公正証書遺言の作成には、遺言執行者の報酬とは別に公証役場への手数料が必要です。

遺産の目的の価額公証人手数料
100万円以下5,000円
100万円超〜200万円以下7,000円
200万円超〜500万円以下11,000円
500万円超〜1,000万円以下17,000円
1,000万円超〜3,000万円以下23,000円
3,000万円超〜5,000万円以下29,000円
5,000万円超〜1億円以下43,000円

遺言書作成の総費用を考える際には、遺言執行者の報酬とこれらの遺言書作成費用の両方を考慮する必要があります。

遺言執行者の費用・報酬を抑えるためのポイント

遺言執行者の費用を抑えるためには、いくつかの効果的な方法があります。

最も費用を抑える方法は、信頼できる相続人を遺言執行者に指定することです。この場合、報酬を無報酬とすることが可能です。ただし、手続きに不慣れな場合にはかえって手続きが滞るリスクがあるため、遺産の内容がシンプルな場合に適した方法といえます。

遺言書の内容を明確にしておくことも重要です。遺言書の内容が曖昧だと遺言執行者の業務量が増え、結果として報酬が高くなる傾向があります。遺言書の内容を具体的かつ明確に記載しておくことで、遺言執行者の業務負担を軽減し費用を抑えることができます。

生前に財産を整理しておくことも効果的です。預貯金口座の統合、使用していない口座の解約、不動産の整理などを行っておくと、遺言執行者の調査業務を軽減でき、費用の抑制につながります。

さらに、複数の専門家から見積もりを取ることが推奨されます。遺言執行者の報酬は事務所によって大きく異なるため、比較検討することで最適な費用で依頼できる可能性が高まります。加えて、遺言書の中に遺言執行者の報酬額や計算方法を明記しておくことで、後々の報酬をめぐるトラブルを未然に防ぐことにもつながります。

遺言執行者の複数指定と費用への影響

民法第1006条では「遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる」と規定されており、遺言執行者を複数人指定することは法律上認められています。例えば、不動産関連の手続きは司法書士に、預貯金関連の手続きは行政書士にというように、専門分野ごとに異なる専門家を遺言執行者として指定することも可能です。

遺言執行者が複数いる場合、その任務の執行は過半数で決することになります(民法第1017条第1項)。ただし、遺言書の中で各遺言執行者の職務分担を明確に定めておけば、それぞれが定められた職務を単独で執行できます。職務分担を定めていない場合は、原則として遺言執行者の過半数の合意が必要となります。

複数人指定の際には注意すべき点がいくつかあります。まず、偶数人の指定は意見が割れた際に過半数の決定ができず遺言執行が停滞する可能性があるため避けるべきです。また、各遺言執行者がどの財産についてどのような権限を持つのかを遺言書の中で明確に記載しておくことが、スムーズな遺言執行のために欠かせません。さらに、複数の専門家を指定した場合はそれぞれに報酬が発生するため、総額の費用が増加する点にも十分な留意が必要です。

遺言執行者に関するトラブルと対処法についてよくある疑問

遺言執行者に関するトラブルは、遺言の内容が相続人の期待と異なる場合、遺言書の記載が曖昧で解釈の余地がある場合、遺言執行者の職務執行に問題がある場合の3つに大別されます。遺言の内容が相続人の期待と異なる場合のトラブルは、遺言執行者の問題ではなく遺言書の内容自体の問題であるという点を理解しておくことが重要です。

遺言執行者が職務を怠った場合やその他正当な理由がある場合には、相続人や受遺者などの利害関係者が家庭裁判所に申し立てて遺言執行者を解任することができます(民法第1019条第1項)。解任が認められる事由としては、遺言執行の手続きをいつまでも進めない場合、相続人への財産目録の公開や進捗報告を怠る場合、相続財産を不正に使い込む場合、特定の相続人に偏った対応をする場合、病気により役割を務められない場合、著しく不当な報酬を請求する場合などがあります。

遺言執行者自身が任務を辞めたい場合は、家庭裁判所の許可を得ることで辞任することができます(民法第1019条第2項)。ただし自由に辞任できるわけではなく、健康上の問題、遠方への転居、相続人との深刻な対立などの正当な理由が必要です。

遺言執行者に関するトラブルを未然に防ぐためには、遺言書の作成段階で内容を具体的かつ明確にしておくこと、信頼できる専門家を遺言執行者に指定すること、そして予備的な遺言執行者も合わせて指定しておくことが大切です。遺言書は将来の相続を円滑に進めるための重要な文書であり、遺言執行者の選任と報酬についても十分に検討した上で作成することが、相続人全員にとって最善の結果につながります。

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