終活で備える親の介護と仕事の両立|介護休業の取得タイミングを解説

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終活における親の介護と仕事の両立は、介護休業制度を適切なタイミングで活用することで実現できます。介護休業は対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割取得が可能な制度であり、介護の初期段階で介護体制を構築する期間として使うのが最も効果的です。2025年4月に施行された育児・介護休業法の改正により、企業には介護に関する情報提供や相談体制の整備が義務付けられ、仕事と介護を両立しやすい環境が整いつつあります。

親の介護はある日突然始まることが多く、脳卒中や骨折、認知症の進行など、そのきっかけはさまざまです。毎年約10万人が介護を理由に仕事を辞める「介護離職」が社会問題となっている中、終活の一環として介護に備え、利用可能な制度を事前に理解しておくことが重要になっています。この記事では、終活としての介護準備から介護休業の最適な取得タイミング、仕事との両立を実現するための具体的な方法まで詳しく解説します。

目次

終活として親の介護に備えることの重要性

終活とは、人生の終わりに向けた準備活動のことです。自分自身の終活を想像しがちですが、親の終活を子どもの立場からサポートすることも非常に重要な取り組みといえます。特に親の介護に関する備えは、終活の中でも最も実務的かつ緊急性の高いテーマの一つです。

親が元気なうちに家族で話し合うべきこと

終活として親の介護に備える際に最も大切なのは、親が元気なうちから家族で話し合いの場を設けることです。介護が必要になってからでは冷静な判断が難しくなるため、事前の準備が欠かせません。

まず確認しておきたいのが、親自身の希望です。在宅介護を望むのか施設入所を希望するのか、延命治療についてどのような考えを持っているのかといった点を、親の口から直接聞いておくことが理想的です。こうした話題を切り出す際には、「元気なうちに希望を聞いておきたい」というスタンスで臨むのがよいでしょう。

次に重要なのが、介護の役割分担を家族間で決めておくことです。兄弟姉妹がいる場合、誰が主たる介護者となるのか、経済的な負担をどのように分担するのか、遠距離に住んでいる家族はどのような形で関わるのかを明確にしておくと、いざというときにスムーズに対応できます。

エンディングノートと財産管理の準備

エンディングノートの作成を親にすすめることも、終活における有効な介護準備の一つです。エンディングノートには、かかりつけ医の情報や服用している薬、保険の内容、預貯金や資産の情報、葬儀の希望など、介護が始まった際に必要となるさまざまな情報をまとめておくことができます。

また、親の財産管理についても事前に把握しておくことが大切です。認知症が進行すると、銀行口座の管理や各種契約の手続きが困難になります。成年後見制度や家族信託といった制度についても、親が元気なうちに検討しておくことが望ましいでしょう。

介護離職の現状と仕事を辞めるリスク

介護離職とは、家族の介護を理由に仕事を辞めることを指します。総務省の就業構造基本調査によると、介護を理由に離職する人は毎年約10万人にのぼり、この数字は長年横ばいの状態が続いています。2025年には団塊世代が全員75歳以上の後期高齢者となり、家族の介護をしながら働く人は365万人に達しました。

介護離職がもたらす深刻な影響

介護離職の問題点は多岐にわたります。最も深刻なのが経済的な損失です。仕事を辞めることで収入が途絶え、介護費用の負担と合わせて家計を大きく圧迫します。介護が終了した後に再就職を試みても、年齢やブランクの問題から以前と同等の条件で働くことは困難な場合が多いのが現実です。

精神的な負担も見逃せません。社会とのつながりが薄れることで孤立感が強まり、介護うつに陥るリスクが高まります。介護に専念するために退職したにもかかわらず、経済的な不安やストレスから介護の質が低下してしまうという悪循環に陥ることもあります。

近年では、介護離職者に占める男性の割合が上昇傾向にある点も注目されています。共働き世帯の増加や、男性の一人っ子・長男が親の介護を担うケースが増えたことにより、男性の介護離職も深刻な問題となっています。企業にとっても、経験豊富な中堅社員やベテラン社員の退職は、生産性の低下や技術・ノウハウの流出につながる大きな損失です。

介護休業制度の仕組みと取得の条件

介護休業制度は、育児・介護休業法に基づく制度で、要介護状態にある家族を介護するために一定期間仕事を休むことができる仕組みです。仕事と介護の両立を実現するために、この制度の内容を正しく理解しておくことが重要です。

介護休業の対象者と取得要件

介護休業は、対象家族1人につき通算93日まで取得でき、3回を上限として分割取得が可能です。対象家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫と幅広く設定されています。自分の親だけでなく、配偶者の親の介護でも取得することができます。

取得の要件としては、雇用保険の被保険者であること、対象家族が要介護状態にあること(2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)が求められます。正社員だけでなく、パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員も対象です。有期雇用の場合は、介護休業取得予定日から93日を経過する日から6か月を経過する日までに労働契約が満了し更新されないことが明らかでないことが条件となります。

ここで重要なポイントがあります。要介護認定を受けていることは必須条件ではありません。負傷や疾病、身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態であれば対象となります。介護保険制度の要介護状態区分で要介護2以上であるか、歩行・排泄・食事・入浴・着脱衣などの日常生活動作について一定の基準に該当する場合に取得が認められます。

介護休暇との違いと使い分け

介護休暇は、介護休業よりも短期間の休暇制度です。対象家族1人につき年間5日まで、対象家族が2人以上の場合は年間10日まで取得できます。2021年1月からは時間単位での取得も可能になり、より柔軟に利用できるようになりました。介護休暇は、通院の付き添いやケアマネジャーとの面談、介護サービスの手続きなど、比較的短時間で済む介護関連の用事に適しています。

介護休業と介護休暇は性質が異なるため、状況に応じた使い分けが大切です。介護休業は介護体制を整えるためのまとまった期間として活用し、要介護認定の申請やケアマネジャーの選定、介護サービスの手配といった体制づくりに集中するのが効果的です。一方、介護休暇は日常的な介護の中で発生する突発的な対応や、定期的な通院の付き添いなどに活用するのが適しています。

介護休業給付金の支給額と申請方法

介護休業中は原則として給与が支払われませんが、雇用保険から介護休業給付金が支給されます。これは介護休業中の収入減を補うための重要な制度です。

支給額は休業開始時の賃金日額の67%です。月給30万円の場合、約20万1000円が支給される計算になります。支給期間は介護休業の期間に応じて最大93日分です。

支給を受けるためには、雇用保険の被保険者であること、介護休業開始日前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あること、介護休業期間中の就業日数が各支給単位期間ごとに10日以下であること、介護休業期間中に事業主から支払われた賃金が休業開始時賃金月額の80%未満であることが求められます。申請手続きは原則として事業主を通じてハローワークに行い、介護休業終了後の翌日から2か月を経過する日の属する月の末日までに申請する必要があります。なお、介護休業給付金は非課税です。

介護休業の最適な取得タイミングとは

介護休業の取得タイミングは、仕事と介護の両立を成功させる上で極めて重要です。93日という限られた日数を最大限に活用するためには、戦略的なタイミング設定が欠かせません。

介護の初期段階での取得が最も効果的

最も推奨されるのが、親の介護が始まった初期段階での取得です。親が入院した、要介護認定を受けた、認知症と診断されたといった介護の開始時期に介護休業を取得し、介護体制の構築に充てることが効果的です。

この期間中に行うべきことは多岐にわたります。要介護認定の申請と結果の確認、地域包括支援センターへの相談、ケアマネジャーの選定と契約、デイサービスや訪問介護などの介護サービスの選定と利用開始、自宅の介護環境の整備(手すりの設置やバリアフリー化など)、介護施設の見学や入所の検討、兄弟姉妹との介護分担の話し合い、そして勤務先での今後の働き方の相談など、この初期段階でしっかりと体制を構築しておくことで、その後の仕事との両立がスムーズになります。

介護休業は介護に専念するための期間ではなく、仕事と介護を両立するための体制を作る期間であるという認識が非常に重要です。この考え方を持つかどうかで、93日間の活用効果は大きく変わってきます。

介護状態の変化時に合わせた取得

親の介護状態が大きく変化したときも、介護休業を取得する適切なタイミングです。要介護度が上がった場合、在宅介護から施設入所に切り替える場合、入院や退院のタイミング、認知症の症状が進行した場合などが該当します。介護休業は3回まで分割取得が可能であるため、こうした変化のタイミングに合わせて取得することで、93日間を効率的に使うことができます。

緊急時の取得と対応方法

親が突然倒れた、骨折した、急に認知症の症状が出たなどの緊急事態が発生した場合にも、介護休業を活用できます。介護休業の申出は開始予定日の2週間前までに行うことが原則ですが、急を要する場合は有給休暇や介護休暇で当面の対応をしながら、介護休業の手続きを進めるという方法が現実的です。

親が倒れてから要介護認定が下りるまでには通常30日程度かかるため、認定を待たずに介護休業を取得し、その間に認定手続きを進めるという流れが実務的には一般的です。医師の診断書などで常時介護が必要な状態であることを証明できれば、要介護認定を受けていなくても介護休業の取得は可能です。

2025年育児・介護休業法改正で変わったポイント

2025年4月1日に育児・介護休業法が改正され、介護と仕事の両立支援がさらに強化されました。この改正は介護離職防止に向けた重要な制度変更を含んでおり、働きながら介護をする人にとって大きな前進となっています。

個別周知・意向確認と40歳到達時の情報提供

改正により、事業主は介護に直面した労働者から申出があった場合、両立支援制度に関する情報の個別周知と意向確認を行うことが義務付けられました。これにより、介護が必要になった際にどのような制度を利用できるのかを、労働者が確実に把握できるようになっています。

さらに、40歳に到達した従業員に対する介護情報の提供も義務化されました。40歳は介護保険の第2号被保険者となる年齢であり、親の介護に直面する可能性が高まる時期です。公的介護保険制度の仕組みと利用方法、介護休業・介護休暇の制度と活用方法、仕事と介護を両立するための社内制度やサービスなどの情報が、この段階で提供されるようになりました。

雇用環境の整備とテレワークの努力義務化

事業主には、介護に関する研修の実施や相談窓口の設置、介護休業等の取得事例の情報提供、取得促進に関する方針の周知のうち、いずれかの措置を講じることが義務付けられました。

また、要介護状態の家族を介護する労働者がテレワークを選択できる措置を講じることが、事業主の努力義務とされました。テレワークの活用により通勤時間を介護に充てることができるため、仕事と介護の両立に大きく貢献することが期待されています。

介護休暇の取得要件の緩和

2025年4月からは、勤続6か月未満の労働者でも介護休暇を取得できるようになりました。これまでは労使協定により入社6か月未満の労働者を介護休暇の対象から除外することが可能でしたが、改正によって入社直後であっても介護休暇を取得できるようになっています。

仕事と介護を両立するための具体的な方法

介護休業の取得だけでは、長期的な仕事と介護の両立は実現できません。さまざまな制度やサービスを組み合わせることが重要です。

所定労働時間の短縮と残業免除の活用

育児・介護休業法では、事業主は要介護状態の対象家族を介護する労働者に対して、所定労働時間の短縮(短時間勤務)、フレックスタイム制度、始業・終業時間の繰り上げ・繰り下げ、介護サービス費用の助成のうち、いずれかの措置を講じることが義務付けられています。利用開始から3年以上の期間で2回以上の利用が可能です。短時間勤務を選択すれば、朝の介護や夕方の見守りの時間を確保しながら仕事を続けることができます。

また、要介護状態の対象家族を介護する労働者は、事業主に申し出ることで所定外労働(残業)の免除を受けることもできます。定時で退社して介護に充てる時間を確保することが可能になるため、日常的な介護との両立に有効です。

テレワークと介護保険サービスの活用

2025年の法改正でテレワークの実施が事業主の努力義務とされたことにより、在宅勤務を活用した介護との両立がより現実的になりました。通勤時間を介護に充てられるほか、介護の合間に仕事を行うなど柔軟な時間配分が可能になります。

仕事と介護の両立において、介護保険サービスの活用は不可欠です。デイサービス(通所介護)を利用すれば、日中の介護を施設に任せてその時間に仕事に集中できます。訪問介護はヘルパーが自宅に来て介護を行うサービスで、仕事中の時間帯に利用するのが効果的です。ショートステイ(短期入所)は一時的に施設に入所するサービスで、出張や繁忙期などに活用できます。ケアマネジャーと密に連携し、仕事のスケジュールに合わせた介護プランを作成してもらうことが成功の鍵となります。

職場と地域の支援を活用する

介護をしていることを職場に伝えることに抵抗を感じる人も多いですが、上司や人事部門に状況を伝えることで適切な支援を受けられる可能性が高まります。2025年の法改正により、企業には介護に関する相談窓口の設置が義務付けられているため、まずは相談窓口を利用してみることをおすすめします。

地域包括支援センターは、介護に関する総合的な相談窓口として機能しています。介護保険の申請手続きやケアマネジャーの紹介、地域の介護サービスの情報提供など、さまざまなサポートを無料で受けることができます。各市区町村に設置されているため、親の住所地の地域包括支援センターに相談することが介護の第一歩となります。

介護休業取得の具体的な手続きと流れ

介護休業を実際に取得する際の手続きを把握しておくと、いざというときにスムーズに行動できます。

まず、対象家族が要介護状態にあるかどうかを確認します。要介護認定は必須ではありませんが、要介護2以上であるか常時介護を必要とする状態であることが条件です。医師の診断書や介護認定の結果などを準備しておくとよいでしょう。

次に、介護休業を開始しようとする日の2週間前までに、書面等で事業主に申し出ます。申出書には、介護休業の開始予定日と終了予定日、対象家族の氏名と続柄、要介護状態にある事実などを記載します。会社によっては所定の申請書が用意されている場合もあります。

申出が受理されると介護休業を取得でき、休業期間中は介護体制の構築や各種手続きに時間を充てます。介護休業給付金は原則として事業主がハローワークに申請し、休業終了後に審査を経て支給されます。介護休業終了後は、構築した介護体制のもとで仕事と介護の両立を開始し、必要に応じて短時間勤務やテレワークなどの制度も併用しながら無理のない範囲で両立を図ります。

介護休業の取得率が低い現状とその背景

介護休業制度は法律で整備されているにもかかわらず、実際の取得率は極めて低い水準にとどまっています。東京商工リサーチの調査によると、介護離職者のうち介護休業や介護休暇の制度を利用せずに離職した人の割合は54.7%に達しており、半数以上が制度を利用しないまま仕事を辞めている実態が明らかになっています。

制度の周知不足は大きな要因の一つです。介護休業制度が社員に浸透していないと回答した企業は31.1%にのぼり、「制度をきちんと知って理解していれば離職しなかったかもしれない」という回答が半数を占めています。

職場環境の問題も深刻です。仕事と介護の両立支援への取り組みが十分でない理由として、「代替要員を確保しにくい」が62.4%で最多となっており、「介護に関わらず休暇が取りにくい」が15.6%、「職場の雰囲気」が9.7%と続いています。介護のために仕事を辞めた理由として「勤務先の両立支援制度の問題や介護休業等を取得しづらい雰囲気等があった」と回答した人は43.4%と最も多く、制度があっても使いにくい環境が介護離職を助長しています。

企業規模による格差も見逃せない問題です。大企業では両立支援制度の整備が進んでいる一方、中小企業では取り組みが遅れている傾向があります。2025年の法改正により全ての企業に対して介護に関する情報提供や相談体制の整備が義務付けられたことは、こうした課題解決に向けた重要な一歩ですが、制度の形式的な整備だけでなく、実質的に利用しやすい職場風土の醸成が今後の課題となっています。

遠距離介護と仕事を両立するための工夫

親と離れて暮らしている場合、遠距離介護という形で仕事と介護を両立させる必要があります。都市部で働きながら地方に住む親の介護をするケースは年々増加しています。

見守り体制の構築と帰省の工夫

遠距離介護を成功させるためには、まず見守り体制を構築することが重要です。親の近所に住む親戚や知人、民生委員などに協力を依頼するほか、地域包括支援センターやケアマネジャーとの連携体制を整えておきます。見守りカメラやセンサー、GPS端末、配食サービスなどのテクノロジーやサービスを活用した見守りも普及しており、離れていても親の状態を把握できる手段が増えています。

帰省の頻度は親の状態や利用している介護サービスの内容によりますが、目安として2週間に1回程度が望ましいとされています。帰省時にはケアマネジャーとの面談や介護サービスの見直し、通院の付き添いなど、遠隔ではできない用事をまとめて行うと効率的です。

交通費の負担を軽減する方法として、航空会社の介護割引制度があります。要介護者の介護を目的とした帰省に対して、航空運賃を3割から4割程度割引する制度を各航空会社が設けています。JRの往復割引や早期購入割引なども活用して、交通費の負担をできる限り抑えることが大切です。

遠距離介護においても介護休業や介護休暇は活用できます。特に介護の初期段階では親の住まいに滞在して集中的に介護体制を構築する必要があるため、介護休業を取得して現地での手続きや調整に充てることが有効です。テレワークを活用すれば、親の近くに滞在しながら仕事を続けることも可能になります。

介護と仕事の両立を成功させるための心構え

介護と仕事の両立を長期的に成功させるためには、制度の活用に加えて大切な心構えがあります。

最も重要なのは、一人で抱え込まないことです。介護は長期にわたることが多く、一人で全てを担おうとすると心身ともに疲弊してしまいます。家族、職場、介護サービス、地域の支援機関など、あらゆる資源を活用して負担を分散させることが大切です。

完璧を求めないという姿勢も欠かせません。仕事も介護も100%を目指すと、どちらも中途半端になりかねません。介護のプロに任せられる部分は任せ、自分にしかできないこと、たとえば親との精神的なつながりや重要な意思決定などに力を注ぐという割り切りが必要です。

自分自身の健康管理も忘れてはなりません。介護者自身が体調を崩してしまっては、介護も仕事も立ち行かなくなります。十分な睡眠や適度な運動、ストレス発散の時間を確保することを意識しましょう。

そして、早めに情報収集と準備を始めることが将来の安心につながります。2025年の法改正により企業は40歳到達時に介護に関する情報を提供することが義務化されました。この機会をきっかけに、自分の親の状況や利用可能な制度について調べ始めることが望ましいでしょう。介護が始まってから慌てるのではなく、事前に知識を得ておくことで、いざというときに冷静に対応することができます。

介護に関する助成金と支援制度の活用

仕事と介護の両立を支援するための助成金や支援制度も充実しています。こうした制度を知っておくことで、経済的な負担を軽減しながら介護に取り組むことができます。

企業向けの制度としては、両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)があります。これは労働者の円滑な介護休業の取得や職場復帰、介護との両立を支援する取り組みを行った中小企業事業主に対して助成金を支給する制度です。この制度を利用している企業では、従業員が介護休業を取得しやすい環境が整備されている可能性が高いため、勤務先が利用しているかどうか人事部門に確認してみるのもよいでしょう。

個人向けの制度としては、高額介護サービス費があります。介護保険サービスの自己負担額が一定額を超えた場合に超過分が払い戻される制度で、所得に応じて上限額が設定されています。また、介護に関連する費用の一部は確定申告時に医療費控除の対象となります。おむつ代(医師の証明書が必要)や介護保険サービスの自己負担分の一部などが該当する場合があります。

自治体によっては独自の介護支援制度を設けているケースもあります。介護者向けの慰労金や介護用品の支給、家族介護者の交流会の開催など、地域によってさまざまな支援が用意されています。親の住所地の市区町村窓口や地域包括支援センターで、利用可能な支援制度を確認することをおすすめします。

介護は決して一人で抱え込むものではありません。介護休業制度をはじめとする法的な支援制度、介護保険サービス、職場の理解、地域の支援機関を上手に組み合わせることで、仕事と介護の両立は十分に実現可能です。終活の一環として早めに準備を始め、いざというときに適切なタイミングで介護休業を取得できるよう、今から情報を集めておきましょう。

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