※しおりは、AIの答えをもとに作った架空の相談員です。挿絵はAIで作成しています。
この記事でわかること
- 通帳もカードもないネット銀行の口座は、家族が「ある」と知らないと見つけにくい
- 亡くなったあとは相続の手続きになり、パスワードがわからなくても、銀行がわかれば進められることが多い
- パスワードを日頃から教えなくても、もしものときだけ家族が見られる残し方がある
書斎でパソコンを開いて、しおりに聞いてみました。
スマホの中だけにある口座、家族は気づける?
今日ニュースで見たんだけど、三菱UFJ銀行が2027年に始めるデジタル銀行は、キャッシュカードを出さないんだって。ATMではスマホのアプリでお金を下ろすらしいよ。
「エムットバンク」ですね。カードと暗証番号のかわりに、スマホのパスコードやアプリへのログインが入るので、悪用されにくくするねらいだそうです。
防犯にはいいんだろうけど、終活にも関係あるよなと思って。僕もネット銀行を使ってるから、新しい話ってわけじゃないんだけど、改めて考えちゃってさ。スマホの中だけに存在してる口座っていうのかな。僕がいなくなったとき、妻はこの口座があることに気づけるのかなって。正直、ゼロに等しいんじゃないかと思うんだよね。
通帳もカードも郵便も届かないと、そう思いますよね。家族がふつうの口座に気づくのは、家に残った通帳やキャッシュカード、銀行からの郵便です。ネット銀行はそれがないので、スマホが開けないと、どこの銀行かさえわからないことがあります。国民生活センターには、亡くなったお兄さんのネット銀行を調べようとして、携帯電話会社の店で「初期化はできるが、画面ロックの解除はできない」と言われた、という相談も寄せられています。
うちは、妻はたぶん全部は把握してないと思う。
手がかりの残し方はあとでお話しするとして、先に制度を一つ。口座にマイナンバーを登録しておくと、相続のときに家族が口座の場所を調べられる仕組みがあります。一つの銀行かマイナポータルで申し出れば、ほかの銀行の口座にもまとめて登録できます。ただ、使えるのは本人が生前に登録した口座だけです。


口座があるとわかったら、お金はどうやって下ろすの?
じゃあ、妻が口座があるってわかったとして、そこからどうやってお金を下ろすの?スマホも開けないのに。
亡くなったあとは、アプリで下ろすのではなく、銀行に連絡して相続の手続きをします。亡くなったことと相続人がわかる書類(戸籍謄本など)を出す流れです。店舗のないネット銀行だと書類は郵送でやりとりするので、終わるまで時間がかかることもあるそうです。
パスワードがわからなくても大丈夫なの?
国民生活センターは、ID・パスワードがわからなくても、契約先の会社がわかれば、遺族から連絡して解約などに応じてもらえるケースが多いとしています。必要なのはパスワードより「どこの銀行か」です。出す書類は銀行や遺言の有無によって変わるので、そのときに銀行に確かめてください。手続きで迷ったら、司法書士・行政書士などの専門家に相談するのが確実です。




使っていない口座が休眠状態になったら、お金はもう下ろせない?
少し前に、使ってなかった僕の口座が休眠状態になってたことがあってさ。妻が窓口に行って解除をお願いしたら、本人が来ないとダメだって言われたらしいんだよ。僕が死んだあとにああいう状態になってたら、入ってるお金は永久に使えなくなるのかな。
永久に使えなくなることはありません。金融庁によると、10年以上取引のない預金は「休眠預金」になりますが、そのあとも元の銀行で引き出せて、期限もないそうです。預金者が亡くなった場合は、銀行の手続きを経て、相続人が引き出せます。ATMではなく窓口での手続きになり、ふつうより時間はかかるようです。
じゃあ、妻が断られたのは、僕が生きてるからか。
名義人のみのるさんが元気なうちは、手続きはみのるさん本人がすることになります。ただ、亡くなったあとに引き出せるのも、奥さんが口座のあることを知っていればの話です。使っていない口座は通帳もしまい込まれがちなので、ネット銀行と同じで家族からは見えにくくなります。
パスワードまで家族に教えないといけない?
でも、何か残すってなると、パスワードもってことになるよね。家族といえども、パスワードまで教えるのはちょっと不安なんだよな。
国民生活センターも、スマホのパスワードを日頃から家族と共有しておくと思わぬトラブルにもなり得る、と書いています。パスワードは教えない、で構いません。
ほかの夫婦ってどうしてるんだろう。お互いのスマホのパスワードって知ってるもの?うちはお互い、個人のものは詮索しない夫婦だから、スマホのロックはお互い解除できないようになってるんだよ。
博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所が2021年に公開した調査では、「配偶者のスマホのパスワードを知っていて、いつでも見ることができる」と答えた50〜69歳の既婚者は22.5%でした。同じ年代で「夫婦といえど互いのプライバシーは尊重したほうがいい」と答えた人は86.1%です。


じゃあ、僕の年代だと、うちみたいな夫婦のほうが多いんだね。
この調査だと、開けない夫婦のほうがずっと多いです。困るのは「もしものとき」だけなので、そのときだけ家族が開けられるようにしておけば足ります。


結局、何を残しておけばいい?
国民生活センターが紹介しているのは「スマホのスペアキー」です。名刺くらいの紙にパスワードを書いて、その部分に修正テープを2〜3回重ねて貼り、隠しておきます。家族は必要になったら、コインで削って読みます。削られていたら気づけるので、そのときはパスワードを変えれば大丈夫です。パスワードをそのまま書かずに、家族にだけわかる合言葉を書く方法もあります。
それなら、元気なうちは見られないで済むか。
口座のほうは、銀行名やサービス名だけでも一覧にしておけば、家族が連絡する手がかりになります。法務省と日本司法書士会連合会が無料のエンディングノートを公開しているので、そこに書くのも一つです。iPhoneやAndroidのアカウントにも、自分が亡くなったときにアクセスできる人を決めておく設定があります。
| 残すもの | 方法 | ふだん家族に見られる? |
|---|---|---|
| どこに口座があるか | 銀行名・サービス名の一覧、エンディングノート | 見られてもよい内容だけ書く |
| スマホのパスワード | スペアキー(修正テープで隠す)、家族にだけわかる合言葉 | 削らないと見えない |
| スマホのアカウント | Apple・Googleの、亡くなったときにアクセスできる人の設定 | 見られない |




やることはわかったんだけど、正直まだ行動に移すには、なんか気が乗らないんだよね。
今日は、奥さんから見えない口座がある、とわかっただけで止めておきましょう。次にネット銀行の口座を作ったり閉じたりしたときが、思い出すのにちょうどいい機会です。
まとめ
| 疑問 | しおりの答え |
|---|---|
| スマホの中だけの口座、妻は気づける? | 通帳・カード・郵便がないので気づきにくい。口座にマイナンバーを登録しておけば、相続のときに家族が口座の場所を調べられる |
| 口座があるとわかったら、どう下ろす? | 銀行に連絡して相続の手続き。書類は郵送が多く、時間がかかることもある |
| 休眠状態の口座は、もう下ろせない? | 休眠預金になっても元の銀行で引き出せて、期限はない。亡くなったあとは相続人が手続きできる |
| パスワードがわからなくても大丈夫? | 契約先がわかれば、遺族の連絡で解約などに応じてもらえるケースが多い |
| パスワードまで教えないといけない? | 日頃から教えなくてよい。スペアキーや合言葉で、もしものときだけ見られるようにする |
| 何を残せばいい? | 口座の一覧、スマホのスペアキー、アカウントの設定 |
みのるが次にやること:まだ決めていない。やることはわかったけれど、正直、まだ行動に移す気になれない。
参考:共同通信「キャッシュカード発行せず 三菱UFJのデジタル銀行」(2026年11月4日、Yahoo!ニュース)/国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』-スマホの中の“見えない契約”で遺された家族が困らないために-」(2024年11月20日)/国民生活センター 見守り新鮮情報 第505号「始めましょう!デジタル終活」(2025年2月20日)/デジタル庁「口座管理法制度について」(2025年3月19日)/金融庁「長い間、お取引のない預金等はありませんか?」/博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所「位置情報やパスワードも共有? 幸せ家族のコミュニケーションDX」(2021年8月11日)/法務省・日本司法書士会連合会「エンディングノート 〜あなたに届け、わたしの想い〜」


