犬や猫を飼う人にとって、老後に向けた譲渡先の探し方を知っておくことは、終活の中でも見落とされがちな課題です。親族や知人への相談、保護団体やマッチングサイトの活用、老犬・老猫ホームの利用という複数の選択肢を、元気なうちから並行して確保しておくことが基本になります。犬の平均寿命は2025年時点で14.82歳、猫は16.00歳に達しており、飼い主自身も高齢化していく「ダブル高齢化」が珍しくなくなってきました。若いうちに迎えたペットが20年近く生きるあいだに、飼い主は60代、70代、80代へと年齢を重ねていきます。ここでは、譲渡先の具体的な探し方から、ペット信託などの法的な備え、エンディングノートに残しておきたい項目まで、老後のペットの引き継ぎ準備を具体的にまとめます。

犬猫のダブル高齢化で「元気なうちの準備」が欠かせない
ペットの引き取りは、頼めばすぐに決まるものではありません。多くの専門家や保護団体が口をそろえるのがこの点で、時間、手間、費用の三つが必要になることを前提に考える必要があります。特に高齢の犬や猫、持病のある犬や猫は、新しい飼い主が見つかりにくくなる傾向があります。若くて健康な子であれば里親希望者も比較的見つかりやすいのですが、シニア期に入った犬猫は最後まで世話をする責任が重くなるため、無償の里親探しでは断られるケースも少なくありません。
だからこそ、飼い主が心身ともに元気で判断力もしっかりしているうちに、万が一の場合の引き継ぎ方法を決めておくことが重要になります。認知症が進んでからや、突然の入院・死亡が起きてからでは、家族や周囲の人が慌てて対応することになり、ペットにとっても飼い主にとっても望ましい結果にならないことが多いものです。あらかじめ道筋を描いておくことで、ペットが不幸な形で放置されたり、保健所に引き渡されたりする事態を避けやすくなります。
親族や知人への相談は口約束より書面での取り決めが安心
飼い主が飼えなくなった場合の引き取り先として、まず検討したいのが親族や知人への相談です。家族や信頼できる友人がペットを気に入っており、飼育環境も整っている場合は、もっとも自然でペットにとってもストレスの少ない選択肢になり得ます。ただし、口約束だけでは、いざというときに断られるリスクがあります。事前にしっかりと話し合い、可能であれば書面や契約という形で取り決めておくことが望ましいでしょう。委託先の生活状況が将来変わる可能性もあるため、候補は一人に絞らず複数考えておくと安心です。
保護団体やNPO法人への相談は実績のある団体選びが鍵になる
全国には犬猫の保護・譲渡活動を行う団体が数多く存在します。保健所からの引き取りを専門に行うシェルターもあれば、里親探しのマッチングサイトを運営する団体もあります。たとえば「犬と猫のライフボート」は、保健所からの救命を専門とする保護シェルターとして20年以上にわたり、2万頭以上の里親探しを行ってきた実績があります。こうした団体は譲渡会を定期的に開催しており、予約なしで会場を見学できるケースも多いようです。気になる団体があれば、事前に電話やメールで相談し、譲渡の条件や手続きを確認しておくとよいでしょう。
里親探しのマッチングサイトは全国300以上の団体が登録している
里親探しのマッチングサイトを活用する方法もあります。「ペトコトお結び」は保護犬・保護猫と新しい飼い主を結ぶマッチングサイトで、全国300以上の保護団体が登録しています。「ハグー」はペットの検索、保護活動者の検索、譲渡会の検索など多機能なサイトとして知られており、「いつでも里親募集中」は犬猫の里親探しをしている人と里親になりたい人をつなぐサイトで、譲渡会のイベント情報も掲載しています。地域や犬種、年齢などの条件で絞り込みながら、里親希望者や保護団体とつながれるのが強みです。ただし無償譲渡の場合は相手のスクリーニングが甘くなりがちで、飼育放棄や転売のリスクもゼロではありません。事前の面談や誓約書の取り交わしなど、慎重な手続きを踏むことが推奨されます。
老犬ホーム・老猫ホームの月額料金は小型犬で年間80万円が目安
新しい家庭に引き取ってもらうのではなく、専門の施設で終生にわたって世話をしてもらう選択肢が老犬ホーム・老猫ホームです。高齢や持病があって新しい飼い主が見つかりにくい犬猫にとって、有力な候補になります。利用料金は施設や地域によって幅がありますが、月額制の場合の目安は次の通りです。
| 種別 | 月額の目安 | 年間の目安 |
|---|---|---|
| 小型犬(体重5kg程度) | 9万2000円程度 | 約80万円 |
| 中型犬(体重15kg程度) | 12万4000円程度 | 約100万円 |
| 猫 | 7万5000円程度 | 約40万円 |
これは関東地域の目安で、関西や東海など他の地域では、関東よりもやや安い傾向があるとされています。
一括の終生飼育なら小型犬120万円、猫120万円が全国的な相場
一括で終生飼育を依頼する場合の相場は、小型犬で約120万円、中型犬で約160万円、猫で約120万円が全国的な目安とされています。施設によっては終身プランが250万円程度になるケースもあります。老猫ホームに限定すると、1年間の利用で30万円から40万円程度、終生飼育では50万円から90万円程度が必要になることが多いようです。持病があり投薬や注射、通院治療が必要な場合には、これとは別に費用が発生する点にも注意が必要です。老犬・老猫ホームを選ぶ際は、料金だけでなく、施設の立地、設備、スタッフの体制、実際に見学した際の清潔さや動物たちの様子も含めて総合的に判断することが重要になります。
無償の里親探しと有償の老犬ホームで確実性が大きく変わる
譲渡先を探す際、無償で引き取ってもらう方法と、費用を払って専門施設に依頼する方法とでは、確実性に大きな違いがあります。無償の里親探しは費用がかからない反面、相手が見つかるかどうかは不確実で、ペットの年齢や健康状態によっては断られることも多いのが実情です。一方、老犬ホームや老猫ホームのような有償サービスは、費用はかかるものの、確実に最期まで世話をしてもらえるという安心感があります。飼い主が生前に信託や遺言で資金を用意しておけば、費用面の不安を軽減しながら、より確実な引き継ぎ先を選択することができます。
ペット信託は生前契約で信託監督人が資金の使途をチェックする
ペットの将来に備える法的な仕組みとして「ペット信託」があります。飼い主が死亡・入院・施設入居・認知症などによってペットを飼えなくなった場合に備え、飼育費用として使う財産を信頼できる人や団体にあらかじめ託しておく仕組みです。信託とは、自分の財産を信頼できる人や団体に託し、自分の決めた目的のために管理・運用してもらう制度であり、この仕組みをペットのために応用したものがペット信託だと理解するとわかりやすいでしょう。
ペット信託の大きな特徴は、飼い主が生きているうちから契約を結び、運用を始められる点にあります。契約は生前に交わされているため、いざというときに相手から一方的に断られるリスクが低くなります。また、信託契約には「信託監督人」という監督機関を設置でき、信託財産が本当にペットのために正しく使われているかをチェックする体制を整えられます。これにより、飼育を任された人が資金を使い込んでしまったり、世話を怠ったりするリスクを抑えることができます。
負担付遺贈はペット信託よりチェック体制が弱い
ペットのために財産を残す方法としては、ペット信託のほかに「負担付遺贈」という選択肢もあります。遺言によって、ペットの世話をすることを条件に財産を譲るという取り決めを行う方法です。ペット信託が生前に契約を結び、生きているうちから利用できる仕組みであるのに対し、負担付遺贈は飼い主が亡くなった後、遺言の効力発生とともに始まるという違いがあります。
負担付遺贈、および同様の仕組みである負担付死因贈与は、いずれも個人間の契約・遺言という形式であるため、実際にペットの世話が適切に行われているかを継続的にチェックする仕組みが存在しないという弱点があります。受遺者が財産だけを受け取って、実際には世話をしないという事態が起きても、監督する制度的な担保がありません。この点で、信託監督人を設置できるペット信託の方が、飼い主の意向をより確実に実現しやすいとされています。ただし、ペット信託は契約の設計や専門家への依頼が必要になる分、手続きが複雑になりやすく、費用もかかります。負担付遺贈は遺言書の作成で対応できるため、比較的手軽に準備できるという利点もあります。自分の資産状況や、託したい相手との信頼関係の程度に応じて、どちらが適しているかを検討するとよいでしょう。
任意後見契約や死後事務委任契約にペットの引き継ぎを盛り込む
一人暮らしの高齢者がペットを飼っている場合、自分の判断能力が低下したときに備えて「任意後見制度」を利用することも選択肢の一つです。任意後見契約では、判断能力が低下した際に、あらかじめ選んでおいた任意後見人が財産管理や生活面のサポートを行うことになりますが、この契約の中にペットの世話に関する取り決めを盛り込んでおくことも可能です。
また、孤独死したり、身寄りがなく亡くなったりした場合に備えて「死後事務委任契約」を結んでおく方法もあります。自分の死後に必要となる各種の事務手続きを、生前に契約を結んだ第三者に委任しておく仕組みです。葬儀の手配や住居の片付けなどとあわせて、ペットの引き継ぎに関する事務手続きも委任内容に含めておけば、自分が亡くなった直後からペットの引き取り先探しや保護団体への連絡がスムーズに進むようになります。
エンディングノートに残すべき基本情報・健康情報・引き継ぎ先の希望
法的な契約とあわせて重要なのが、エンディングノートにペットに関する詳細な情報を書き残しておくことです。急に入院したり、意識不明の状態になったりした場合、家族や周囲の人はペットについて何も知らないまま対応を迫られることになります。
まず、ペットの基本情報として、名前、年齢、犬種・猫種、性格、好みのフードの種類や量、給餌の時間帯、散歩のコースや時間帯、トイレの癖など、日常のケアに関わる情報を詳しく記録しておきます。次に、健康情報として、かかりつけの動物病院の名称と連絡先、担当獣医師の名前、持病の有無、服用中の薬とその用法用量、過去の手術歴やワクチン接種の履歴などをまとめておきます。
さらに、介護や医療方針についても記しておきたいところです。高齢になったペットが病気や怪我で余命宣告を受けた場合、延命治療を望むかどうか、どこまでの医療行為を許容するかといった方針をあらかじめ書いておけば、家族や引き継ぎ先が判断に迷ったときの助けになります。
そして最も重要なのが、緊急連絡先と引き継ぎ先の希望です。何かあった場合にまず誰に連絡してほしいか、ペットを一時的に預かってもらえる人は誰か、最終的な引き継ぎ先としてどの保護団体や老犬・老猫ホームを希望するか、費用として用意している金額はいくらか。こうした情報を、できるだけ具体的に書き残しておきます。エンディングノートには法的な強制力はありませんが、家族や関係者がペットの引き継ぎについて迷わず行動できるようにするための指針になります。
譲渡が決まるまでの流れとトライアル期間はおおむね2週間
保護団体やマッチングサイトを通じて里親探しを進める場合、実際の手順を知っておくと、いざというときに慌てずに済みます。一般的には、保護団体や保健所への相談・登録から始まり、講習を受けたうえで実際に犬猫と対面し、譲渡の申し込みを行うという流れになります。保健所を通じたケースでは、事前講習を受講したうえで、対象の犬猫と触れ合う機会が設けられ、その後に正式な譲渡申し込みへと進むことが多いようです。
多くの団体では、正式譲渡の前に「トライアル期間」を設けています。新しい飼育者の家庭に一定期間ペットを預け、実際の生活環境や家族との相性を確認するための試験的な期間で、おおむね2週間程度とされることが多いようです。ただし実施の有無や具体的な期間は団体によって異なるため、事前の確認が欠かせません。先住のペットがいる家庭や、初めてペットを迎える家庭では特に、このトライアル期間が重視される傾向にあります。
里親になる条件は家族全員の同意や自宅訪問の受け入れなど
里親になるための条件も団体ごとに定められています。一般的には、家族全員がペットを迎え入れることに同意していること、犬の場合は屋外で鎖につないだままの飼育をしないこと、トライアル開始時や譲渡時に自宅への訪問を受け入れられることなどが挙げられることが多いです。単身の高齢者が新たに保護犬・保護猫の里親になろうとする場合には、こうした条件が壁になることもあるため、事前に団体へ相談し、どのような条件であれば対応可能か確認しておくとよいでしょう。
高齢の飼い主による飼育放棄は8割以上、不妊去勢の義務化で多頭飼育崩壊を防ぐ
終活の観点からもう一つ触れておきたいのが、高齢の飼い主による飼育放棄や、いわゆる多頭飼育崩壊の問題です。ペットの飼育放棄のうち8割以上が高齢の飼い主に関わっているというデータもあり、飼い主本人だけでなく、その家族や親戚からの「引き継げない」という相談が非常に多いのが実情です。加齢による体力の低下や認知機能の衰えによって、気づかないうちに不妊去勢手術を怠り、繁殖が繰り返された結果、多頭飼育崩壊に至ってしまうケースも報告されています。
令和2年の動物愛護法改正により、飼い主にはペットがみだりに繁殖して適正な飼育が困難にならないよう、不妊去勢手術等で繁殖を防止する義務が課されています。多くの自治体やNPO団体では、無料または低価格での避妊・去勢手術の助成を行っており、東京都をはじめとする自治体では独自の助成金制度も設けられています。こうした制度を活用し、早い段階で繁殖制限を行っておくことも、将来の飼育崩壊を防ぐ終活の一環といえるでしょう。
こうした事態を未然に防ぐため、各都道府県や市区町村には相談窓口が設けられています。動物指導センターや保健所の動物相談窓口では、ペットの飼育に関する相談を随時受け付けており、必要に応じて職員が家庭訪問による支援を行う体制を整えている自治体もあります。またNPO法人の中には、電話による「動物相談ホットライン」を運営し、飼育に困っている当事者本人だけでなく、社会福祉関係の機関からの相談にも対応しているところがあります。近年では、自治体や地域の福祉窓口と連携し、高齢者や生活困窮者を対象にペットの預け先探しを支援する「シニアサポーター」のような取り組みも始まっています。ひとり暮らしの高齢者がペットを飼っている場合、こうした地域の相談窓口や支援制度の存在をあらかじめ知っておくことも、もしものときの安心材料になります。
里親詐欺は「今すぐ引き取りたい」という急かし方が典型的な手口
譲渡先を探すうえで見落とせないのが、悪意ある相手に引き渡してしまうリスクです。里親詐欺とは、大切に飼う意思がないにもかかわらず里親を装ってペットを譲り受け、その後に転売したり、無責任な繁殖に利用したり、劣悪な環境に放置したりする行為を指します。無償譲渡を装って引き取った後に第三者へ転売するケースや、そもそも虐待目的で引き取りを希望するケースも報告されています。
典型的な特徴として、「今すぐ引き取りに行きたい」「明日にでも迎えに来る」といった形で、譲渡を急がせようとする言動が挙げられます。冷静に相手の生活環境や人柄を見極める時間を与えず、勢いで譲渡を成立させようとするのが手口の一つです。また、同じ時期に複数の団体や個人へ同時に里親応募をしていたり、一人で複数頭の引き取りを希望してきたりする場合も注意が必要とされています。
こうしたトラブルを避けるには、個人間の譲渡であっても、簡単な誓約書や譲渡契約書を取り交わしておくことが有効です。書面を交わすこと自体が、いい加減な気持ちで引き取ろうとする相手への抑止力になります。SNSなどで里親を募集する場合には、不特定多数に公開するのではなく、フォロワーなど身元がある程度わかる範囲に絞って情報を届けるといった工夫も、リスクを減らすうえで役立ちます。可能であれば直接会って生活環境を確認したり、身分証明書の提示を求めたりすることも、安全な譲渡につながります。
60歳以上は新規の里親になれない団体もあり、高齢の犬猫ほど譲渡先探しが難しい
高齢になった犬や猫は、若く健康な個体に比べて新しい飼い主が見つかりにくいという厳しい現実があります。保護団体が保護する犬猫の中には、高齢であることや持病があること、あるいは人や他の動物との社会化が不十分であることを理由に、なかなか里親が決まらない個体が少なからず存在します。多くの譲渡サイトでは「老犬」「老猫」というカテゴリを設けてシニア期の犬猫を専門に紹介する取り組みを行っていますが、それでも需要は健康な子犬・子猫に比べると限られているのが実情です。
同時に興味深いのが、譲渡を受ける側の年齢制限という視点です。保護団体の多くは、その子が生涯を終えるまで二度と行き場を失わないようにという趣旨から、譲渡希望者の年齢に一定の制限を設けていることが多いようです。60歳以上の高齢者や単身者、学生などは、そもそも新規の里親として応募すること自体が難しいケースもあります。60歳以上でも成犬や成猫を迎え入れたいという希望を持つ人は少なくありませんが、対応できる団体や条件は限られているのが現状です。これは裏を返せば、自分自身が高齢になってから新たにペットを迎える場合には、あらかじめ譲渡条件を確認し、対応可能な団体を探しておく必要があるということでもあります。同時に、現在飼っているペットが将来高齢になったときに譲渡先を探す難しさについても、早い段階から認識しておくべきでしょう。
こうした事情を踏まえると、ペットが高齢になってから譲渡先を探し始めるのではなく、まだ若く健康なうちから将来を見据えた選択肢の検討を始めておくことが望ましいといえます。信頼できる家族や団体との関係を早期に築いておくこと、老犬・老猫ホームの情報を事前に集めておくこと、そして資金面の準備としてペット信託や積立などを検討しておくことが、結果としてペットにとっても飼い主にとっても、安心できる老後につながっていきます。
ペット共生型のサービス付き高齢者向け住宅なら手放さずに老後を迎えられる
譲渡先を探すこと以外に、そもそもペットを手放さずに老後を迎える方法として、ペットと一緒に入居できる高齢者向け住宅を検討するという選択肢もあります。近年は「ペット共生型」と呼ばれる老人ホームが登場しており、ペットと高齢者がともに快適に暮らせるよう配慮された施設が少しずつ増えています。特に、民間の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、いわゆる「サ高住」でこうした受け入れ体制が整えられているケースが多いようです。
施設によって対応はさまざまで、これまで飼っていたペットとそのまま同居できる場合もあれば、入居後に新たにペットを迎え入れることが可能な施設も存在します。サービス付き高齢者向け住宅は比較的自立度の高い高齢者を対象とした住宅形態で、個別の住居スペースが広めに確保されていることもあり、ペットとの同居に関しては最も柔軟な対応が可能な施設タイプの一つとされています。中には大型犬の受け入れに対応している住宅も増えてきています。
ただし、ペット可と掲げている施設であっても、すべての種類・サイズのペットが無条件で受け入れられるわけではありません。鳴き声や臭い、他の入居者への配慮から、犬種や頭数、飼育スペースについて独自のルールを設けている施設も多くあります。将来的にこうした住宅への入居を検討する場合には、早い段階から情報収集を行い、ペットの種類やサイズ、頭数に対応してくれる施設を探しておくことが重要です。譲渡先を探す準備とあわせて、そもそも手放さずに済む暮らし方の選択肢も視野に入れておくと、より納得のいく老後の形を描きやすくなるでしょう。
家族との話し合いを元気なうちに始めることがすべての出発点
ここまでさまざまな制度やサービスを紹介してきましたが、実際に準備を進めるうえで最初の一歩となるのは、家族や身近な人との率直な話し合いです。自分に何かあったときにペットをどうしたいか、誰に頼みたいか、どの程度の費用をかけられるか。こうした希望を、元気なうちに言葉にして共有しておくことが、すべての準備の出発点になります。話し合いの内容は一度きりで終わらせるのではなく、ペットの年齢や自分の健康状態の変化に応じて、定期的に見直していくとよいでしょう。
ペットとの暮らしは、多くの高齢者にとって日々の生活に張り合いや癒やしを与えてくれる大切な存在です。だからこそ、その暮らしの終わり方についても先送りにせず、早い段階から具体的に考えておくことが、ペットにとっても自分自身にとっても、後悔のない選択につながっていきます。譲渡先の探し方を知り、複数の選択肢を並行して確保しておくことが、犬や猫との老後を安心して迎えるための鍵になるはずです。








