デジタル遺品整理の費用相場とGoogleアカウント削除の手続き方法を徹底解説

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故人が残したデジタル遺品の整理は、Googleアカウントの削除手続きや代行業者への依頼費用など、遺族にとって大きな負担となる現代社会の重要課題です。デジタル遺品整理の代行業者費用は基本料金5万円から10万円程度が相場で、パスワード解除は1台あたり3万円前後、スマートフォンの場合は20万円以上かかることもあります。Googleアカウントの削除には身分証明書と死亡証明書が必要となり、英語への翻訳が求められる場合もあるため、事前の対策が重要です。

スマートフォンやパソコンの普及により、私たちの生活はデジタル技術と切り離せないものとなりました。総務省の発表によると、全国民のデジタル機器の保有率は95%を超えており、スマートフォンでインターネットを利用する人は20代から59歳の各年齢層で約9割、60代で78.3%、70代でも49.4%に達しています。このような状況の中、故人が残すデジタル遺品をどのように整理するかという問題が社会的に大きな課題となっています。2024年11月には国民生活センターがデジタル遺品トラブルの増加について警鐘を鳴らしており、デジタル終活の重要性がますます高まっています。この記事では、デジタル遺品の種類や整理方法、特にGoogleアカウントの削除手続き、代行業者の費用相場、そして生前にできる対策について詳しく解説します。

目次

デジタル遺品とは何か

デジタル遺品とは、故人が生前に利用していたパソコンやスマートフォンなどのデジタル機器、およびインターネット上のアカウントに保存されているデータのことを指します。これらを本人の死後に整理することを「デジタル遺品整理」といいます。デジタル遺品は法律上の正式な用語ではありませんが、故人が残したデジタル機器やデータという意味で広く使われています。

デジタル遺品は大きく3つに分類することができます。1つ目は「デジタル機器」で、パソコン、スマートフォン、タブレット、デジタルカメラ、外付けハードディスク、USBメモリなどの記憶メディアが含まれます。2つ目は「デジタル機器に保存したデータ」で、写真、動画、文書ファイル、メール、連絡先などがこれに該当します。3つ目は「クラウド上に保存したデータや契約」で、SNSアカウント、メールアカウント、クラウドストレージのデータ、サブスクリプションサービスの契約などが含まれます。

金銭的価値のあるデジタル遺産の種類

デジタル遺産の中でも特に重要なのが、金銭的価値を持つものです。ネット銀行口座は、楽天銀行、ソニー銀行、住信SBIネット銀行などのインターネット専業銀行の口座を指し、通帳やカードが発行されないことが多く、遺族が存在に気付きにくい特徴があります。ネット証券口座は、NISA口座を含む各種ネット証券の口座で、株式、投資信託、債券などの有価証券が含まれます。FX口座は外国為替証拠金取引の口座で、相場変動により放置すると損失が拡大するリスクがあります。

仮想通貨(暗号資産)は、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産で、ウォレットのパスワードがわからないと資産を引き出すことが非常に困難になります。故人の死亡時の評価額で相続税が課されるため、早急な対応が必要です。電子マネーはSuicaなどの交通系電子マネーのチャージ残高が該当し、スマホ決済はPayPay、LINE Pay、楽天ペイ、メルペイ、d払いなどのキャッシュレス決済サービスの残高です。ポイント・マイレージについても、商品購入や航空券への交換が可能なため、デジタル遺産に含まれます。

一方で、直接金銭価値に繋がらないものもデジタル遺品として重要です。写真・動画データは遺族にとってかけがえのない存在であり、Facebook、Twitter(X)、Instagram、LINEなどのSNSアカウント、Gmail、Yahoo!メールなどのメールアカウント、故人が運営していたブログ・ウェブサイト、購入した音楽、電子書籍、ゲームなどのダウンロードコンテンツ、スマートフォンやクラウドに保存された連絡先データなども含まれます。

デジタル遺品整理で起こりやすいトラブル

デジタル遺品を適切に整理しないと、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。国民生活センターによると、デジタル遺品に関する相談では、遺族が契約内容の確認や解約をしたくても、IDやパスワードの手がかりがないために手続きに困るケースが多く見られます。

アクセス不能による手続き困難は最も一般的な問題です。最近のデジタル機器はセキュリティが強化されているため、機器にロックをかけたまま管理者本人が亡くなると、遺族は故人の管理していた情報にアクセスできなくなります。その結果、故人の債務整理や相続手続などにも支障が生じ、金銭的なトラブルに発展することも珍しくありません。

サブスクリプションの継続課金も深刻な問題です。動画配信サービス、音楽ストリーミング、デジタル新聞など、月額料金がクレジットカードから引き落とされ続けることがあります。故人の口座から継続的に支払いが行われ、遺族が気付かないまま数ヶ月分の料金を支払ってしまうケースもあります。

不正アクセス・なりすまし被害のリスクも見逃せません。故人のSNSアカウントをそのままにしておくと、アカウントの乗っ取りや、なりすましの被害に遭うリスクがあります。悪意ある第三者に個人情報を悪用されたり、故人になりすまして詐欺行為に利用されたりする可能性があります。

情報流出のリスクも高まります。デジタル遺品が適切に管理されない場合、第三者による不正アクセスや情報流出の危険性が増します。故人のメールアカウントやクラウドサービスには、個人情報や機密情報が含まれるケースが多く、流出するとプライバシーの侵害やアカウントの不正利用といった問題が発生する可能性があります。

ネット上にある口座で、遺族に知らされていない資産の存在や、ネット証券やネットでのFX取引等では、気付かない間に相場変動により負債が発生するといったトラブルも報告されています。特に仮想通貨の場合、ウォレットの場所とパスワードを知らないと手も足も出ない状況になります。経営者が亡くなった場合には、デジタル機器内の取引先とのアポイント情報が把握できず、キャンセルの連絡ができないままトラブルに発展するケースもあります。また、遺された画像や動画、メールやチャットなどのやりとりから、故人の人間関係が明らかになり、遺族が知りたくなかったことが発覚してしまうケースもあり、これは家族関係に影響を及ぼす可能性があるデリケートな問題です。

Googleアカウントの削除手続きと必要書類

Googleアカウントは、Gmail、Googleドライブ、Googleフォト、YouTubeなど多くのサービスと連携しており、故人のデジタル遺品の中でも特に重要な存在です。Googleでは、遺族が故人のアカウントに対して行える手続きを用意しています。

Googleでは、家族や代理人の方と連絡を取り、適切であると判断した場合には、故人のアカウントを閉鎖します。ただし、パスワードや他のログイン情報を第三者に伝えることはありません。家族や親しい友人であれば、Googleに連絡を取り、公的機関の発行する身分証明書や死亡証明書を提示することで、故人のアカウントを閉鎖したり、データを取得することが可能です。

Googleでは3つのリクエストが可能です。1つ目は故人のアカウントを閉鎖するリクエスト、2つ目は故人のアカウントから資金を取得するためのリクエスト、3つ目は故人のアカウントからデータを取得するリクエストです。

アカウント削除や資金・データ取得のリクエストには、政府発行の身分証明書または運転免許証(リクエストを行う方の本人確認書類)と、故人の死亡証明書(故人が亡くなったことを証明する公的書類)が必要です。重要な注意点として、英語で書かれていない文書については、専門の翻訳者による英訳(公証済みのもの)を添付する必要があります。Googleなど外国が主体のサービスでは、申請書類を英文で提出することが必須の場合もあり、遺族にとって大きな負担になることがあります。

Googleアカウント無効化管理ツールによる事前対策

Googleでは「アカウント無効化管理ツール」という公式サービスを提供しています。これは、長期間ログインされないGoogleアカウントの管理を事前に設定できるツールです。

このツールを使用すると、指定した期間(3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月から選択可能)ずっとGoogleアカウントが使用されない場合に、アカウント情報の自動削除(写真、メール、ドキュメントなどのデータを自動的に削除する設定)や、家族や友人との共有(指定した人物にデータへのアクセス権を与える設定)を事前に行うことができます。

デジタル遺品を継承してほしい家族や友人を生前に指定する手続きをしておくと、死後に自分のデータへアクセスする権利を当人に与えることができます。共有された側は3ヶ月間の期間限定でデータにアクセスできます。そのため、3ヶ月が過ぎる前にデータを保存する必要があります。この期間制限があることを、共有相手に事前に伝えておくことが重要です。

主要SNSアカウントの削除手続き

Googleアカウント以外にも、多くの人がSNSアカウントを持っています。各SNSサービスには、故人のアカウントに対する独自の対応方法があります。重要な注意点として、亡くなった方のアカウントに無断でログインすることは法律で禁じられています。どんなに親しい間柄でも、ログインすることは倫理的にも法的にも問題があるため、各サービスの規約に沿った対応をすることが必要です。

Facebookの場合は、利用者が亡くなると「アカウントを完全に削除する方法」か「追悼アカウントとして遺す方法」の2つを選択することができます。アカウント削除には、故人の近親者であることを証明する書類や死亡診断書のスキャンデータなど、利用者が亡くなったことを証明する書類が必要です。死亡診断書が手元にない場合は、委任状・遺言書などのアカウント削除を委任されたと証明できる書類と、故人の死亡記事やご葬儀のしおりといった故人が亡くなられたことを示す書類が必要になります。追悼アカウントになると、プロフィール内のアカウント所有者の名前の横に「追悼」と表示され、故人がシェアしていた写真や投稿などはFacebookにそのまま残り、故人の関係者は引き続きそのコンテンツを閲覧することができます。追悼アカウントには誰もログインすることはできず変更することもできないので、荒らしやなりすましの危険がなくなります。

Twitter(X)の場合は、追悼アカウントという制度はなく、遺産管理人もしくは遺族からのリクエストによりアカウントが削除されます。削除のリクエストが受領された後、リクエストを送信した方の身分証明書のコピー、故人の情報や死亡証明書のコピーなどを提出し、Twitter社の確認作業が終了してからアカウントが削除されます。

Instagramの場合は、「アカウントを削除する方法」か「追悼アカウントに移行する方法」の2つを選択することができます。アカウント削除は故人の家族であることが証明できる人に限りリクエストでき、故人の出生証明書、故人の死亡証明書、故人またはその財産の合法的代理人であることを示す法的文書が必要になります。追悼アカウントにするためには、故人の家族または友人からの申請が必要で、専用フォームに必要事項を記載し、死亡記事やニュース記事へのリンクなど、死亡を証明できる書類が必要になります。

LINEの場合は、アカウントが一身専属的に利用者に帰属するものとされています。一身専属的とは、アカウントの利用者のみが利用でき、他人が取得、行使することができないことを意味します。つまり、利用者が亡くなっても、LINEのアカウントを相続することはできません。LINEには他のSNSのような「追悼アカウント」の制度はなく、遺族がLINEのサポートに相談してできることは、アカウント削除のみとなります。

デジタル遺品整理代行業者のサービス内容

デジタル遺品の整理が自分では進まない場合、専門の業者に依頼することも選択肢の一つです。デジタル遺品調査が進まなくなった場合は、自分自身だけで解決することは不可能に近いため、速やかにデジタル遺品調査をしてくれる業者に連絡することが推奨されています。

デジタル遺品整理業者の主なサービスには、パスワード・ロック解除(パソコンやスマートフォンのログインパスワードや画面ロックの解除)、データ抽出・整理(故人のデバイスから必要なデータを抽出し整理)、外部媒体への移行(抽出したデータをUSBメモリや外付けハードディスクなどに移行)、SNSや有料サービスの解約(各種SNSアカウントやサブスクリプションサービスの解約手続きを代行)、データ復旧(故障したデバイスや削除されたデータの復旧)などがあります。

デジタル遺品整理代行業者の費用相場

デジタル遺品整理の料金相場は、依頼する内容やサービス提供者によって大きく異なります。相場というものが明確にあるわけではなく、会社によってピンキリです。

基本料金の目安として、基本的なデジタル遺品整理サービスの料金は5万円から10万円程度が一般的です。基本料金設計として「2万円程度から」としている会社もあれば、パッケージ料金で「10万円から」としている会社もあります。業者によっては着手金が10万円からと少し高めの設定となっているところもあります。また、持込・宅配の場合の基本料金は3,300円(税込)からの業者もありますが、物理障害の場合は別途データ復旧料金が発生し、遠方の場合は別途交通費がかかることもあります。

パスワード解除の費用については、デジタル遺品関連の依頼内容は実に50%以上がパスワード解除に関するものになっています。パスワード・ロック解除の一般的な相場は1台あたり30,000円前後です。業者によって、着手金が必要なところもあれば、完全成果報酬でパスワード・ロック解除が成功した場合のみ料金がかかる業者もあります。パソコンの場合は5万円から15万円程度が費用の相場で、ほとんどのパソコンはパスワードの解除が可能で、通常1から2時間ほどで作業が完了します。スマートフォンの場合は暗号データで解読が難しいため、最低でも20万円から30万円程度かかるケースが多いです。パスワードには非常に強力なセキュリティがかけられており、解除には困難な作業が伴うため、費用には幅が出てきます。

料金に影響する要素としては、デバイスの数(パソコン、スマートフォン、タブレットなど機器の数が増えると費用も上がる)、データ量と難易度(データ復旧やパスワード解除が必要な場合は追加料金が発生)、オプションサービス(業者ごとにオプションになるサービスや追加料金が必要になるケースが異なる)があります。

サービスを受ける際は本人確認書類が必要になります。具体的には、戸籍謄本、死亡診断書、依頼者本人の運転免許証か保険証などです。

サービス内容費用相場
基本料金5万円〜10万円
パスワード解除(PC)5万円〜15万円
パスワード解除(スマホ)20万円〜30万円
パスワード解除(一般的な相場)1台あたり3万円前後

費用を抑えるポイントと主な業者

費用をできるだけ抑えるには、複数の業者から見積もりを取ることが大切です。業者に依頼する時は見積もりをしっかりと出してもらい、必要なサービスと不要なサービスを明確にしましょう。パスワード解除できなかった場合は料金がかからない完全成果報酬型の業者を選ぶことも一つの方法です。

主なデジタル遺品整理業者としては、デジタルデータフォレンジックがあります。これはデータ復旧業界最大手で、データ復旧国内売上ナンバーワンを14年連続で達成しているデジタルデータソリューション株式会社が運営するデジタル遺品調査サービスです。日本PCサービス株式会社は、デジタル遺品に関する相談が増加する中で、「生前デジタルデータ整理ガイド2024」を無料で配布しています。このガイドは、まこと法律事務所の弁護士監修のもと、セルフチェックシートが追加されています。その他、遺品整理のオプションメニューとしてデジタル遺品整理を実施している業者もあります。

悪質業者の見分け方と注意点

デジタル遺品整理を業者に依頼する際は、悪質な業者に騙されないよう注意が必要です。「みんなの遺品整理」が独自に行った調査では、遺品整理を業者に依頼したときのトラブルは約4割の方が「トラブル経験あり」と回答しています。

悪質業者の特徴として、他の遺品整理業者と比較して費用が著しく安い場合は悪質業者の恐れがあります。見積もり費用をわざと安くして後から追加請求を行う業者もいます。ホームページに情報を公開していない、もしくは詳しく記載されていない場合は悪質な業者の可能性があります。遺品整理に必要な許可を得ていない業者は、遺品を雑に扱ったり不法投棄したりする可能性があります。不用品の運搬処理には「一般廃棄物収集運搬業許可」、遺品の買取には「古物商許可」が必要です。

注意すべきリスクとして、悪質な業者に機器を預けてしまうと、データが抜き取られて悪用される恐れがあります。デジタル遺品は故人のプライバシーに関わる品のため、整理中のプライバシー保護の徹底が重要です。

信頼できる業者の見分け方として、一般社団法人遺品整理士認定協会によって設立された資格を取得した「遺品整理士」は、健全な遺品整理業務を正しく実行するための専門的な知識や技術を学んでいます。料金体系が明確で、見積もりをしっかりと提示してくれる業者を選びましょう。実際に利用した人の口コミや評判を確認することも重要です。

デジタル終活と生前対策の重要性

亡くなった後で遺族が困らないためにも、生前にIDやパスワード、利用しているサービスなどをしっかりとまとめて整理しておくことが非常に重要です。

デジタル終活とは、デジタル媒体やインターネット上に保存されたデータを整理することを指し、生前整理の一環として行われます。インターネット上に保管されているSNSや画像などのデータを生前に整理しておくことで、残されたデータを遺族が処理する際の負担を大幅に軽減することができます。

デジタル終活の進め方として、まずステップ1のデジタル資産の棚卸しでは、何よりも整理するデータをデジタル機器、デジタル遺品、デジタル資産に分けることが大切です。デジタル遺品とデジタル資産では、必要な対応が変わるので事前に分けておきましょう。ステップ2のエンディングノートへの記録では、誰が見ても分かるように記載しておくことが重要です。特に、英数字・記号が混在したパスワードを設定している場合は、大文字、小文字の違いなどが誰の目にも明らかなように丁寧に記載しましょう。ステップ3の家族への共有では、家族や信頼できる第三者には、エンディングノートの保管場所とあわせてデジタル終活をしている旨を伝えておきましょう。ステップ4の各サービスの事前設定では、Googleのアカウント無効化管理ツールなど、サービスごとに用意されている終活機能を活用しましょう。

セキュリティへの配慮も重要です。ログインIDやパスワードといった個人情報はそのままエンディングノートに記録してしまうと、情報漏えいのリスクが高まるので注意が必要です。悪用されるリスクを減らすために、「父の誕生日」「過去に住んでいた住所の郵便番号」などパスワードにつながるヒントを書いておくという方法もあります。また、ネット銀行のログイン情報といった重要な情報をデジタル終活で整理した場合、保管方法には注意が必要です。自宅に金庫を用意するなど、財産に関する重要な情報は人目につかないように保管し、情報漏えいを防ぐための工夫を行いましょう。

デジタル終活は、一度で完結するものではありません。デジタルデータの内容は時間の経過と共に変化するため、定期的な見直しが必要になります。見直しの都度、必要な整理・処分を行って、最新の状態に更新していきましょう。

デジタル終活に役立つツールとサービス

デジタル終活に役立つツール・サービスがいくつかあります。日本デジタル終活協会は、エンディングノートの作成だけでなく保管サービスも行っています。100年ノートは、自分の思いはもちろん、預金や財産、葬儀のことなど、あらゆることをアプリで記録しておけます。事前に情報公開したい相手を指名しておき、本人の死後、登録者からの開示請求によって情報を閲覧できるシステムです。そなサポは、相続のために活用できる無料アプリです。資産の情報と一緒に継承者の情報も登録できるため、誰にどの資産を継承するのかがわかりやすくなります。また、利用者が元気でいることを知らせる「見守りサービス」の機能もあります。

デジタル遺産を所有している人は、相続人がその存在を把握できるよう、生前整理をしておくことが大切です。相続手続きまでを念頭に置くと、デジタル遺産は遺言書の形で残すことが望ましいです。遺言書に記載することで、法的な効力を持たせることができます。

デジタル遺品と相続税の関係

デジタル遺品の中でも金銭的価値のあるデジタル遺産については、相続税の問題を避けて通ることができません。FX・ネット証券の株式・仮想通貨などのデジタル遺産は、相続税の評価額を計算する際には「相続発生時の時価」が適用されます。しかし、実際に相続人等が受け取る金額は、「解約時の価額」が適用されます。

つまり、デジタル遺産の存在に気付かず放置した結果、相続発生時に比べて価値が下がっていると、「税金を多く支払うのに受け取り金額が少なくなる」といった事態に発展する可能性があります。これは相続人にとって大きな不利益となります。

相続税の申告義務がなかったものの、デジタル遺産が相続財産に追加されることで、相続税の申告義務が課せられるケースもあります。相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」ですが、デジタル遺産を含めるとこの基礎控除を超えてしまう場合があります。相続税の申告期限を過ぎてから申告義務が生じれば「期限後申告」を、すでに相続税申告をした後でデジタル遺産の存在が明らかになった場合は「修正申告」をしなくてはなりません。期限後申告や修正申告には、延滞税や加算税が課される可能性があります。

仮想通貨などのデジタル資産については、パスワードがわからず引き出せない場合でも相続税の課税対象となります。パスワードを知らせず亡くなったため仮想通貨を引き出せないと相続人が主張したとしても、課税当局としては「パスワードの把握の有無は当事者にしか分からない主観の問題」であり、「相続税の課税対象となる財産に該当しないと解することは課税の公平の観点から問題があり、適当ではない」としています。このため、仮想通貨などのデジタル資産を保有している場合は、必ずウォレットのパスワードや保管場所を家族に伝えておくことが重要です。

相続によって財産を取得した場合は「相続税」の課税対象となります。そのため、原則として、相続をした件についての相続人の確定申告は不要です。ただし、相続した財産の種類や相続後の財産の取扱い次第では、確定申告を要する場合があります。例えば、相続したデジタル資産を売却して利益が出た場合には、譲渡所得として確定申告が必要になることがあります。

デジタル遺産の相続手続きにおける注意点

デジタル遺産の相続手続きを行う際は、いくつかの重要な点に注意が必要です。携帯電話の解約時期については、最近、携帯電話を利用した二段階認証が主流となっています。したがって、各種サービスの手続きが終了するまでは携帯電話を解約しないようにすることが重要です。早急に解約してしまうと、認証ができずに手続きが進められなくなる可能性があります。

財産の洗い出しも重要です。デジタル遺産は、所有者や権利者本人にしか見えないため、財産の存在に家族が気付かない可能性も十分にあります。相続税対策には取り組む順序も大切で、まず財産の洗い出しからスタートすることが推奨されています。

デジタル遺品整理のまとめ

デジタル遺品の整理は、現代社会において避けて通れない課題となっています。特にGoogleアカウントをはじめとする各種オンラインサービスのアカウント管理は、遺族にとって大きな負担となる可能性があります。

デジタル遺品の種類を理解することが重要です。金銭的価値のあるデジタル資産と、そうでないデジタル遺品を区別し、それぞれに適切な対応を行うことが必要です。Googleアカウントの削除手続きでは、遺族による削除リクエストには身分証明書と死亡証明書が必要です。英語への翻訳が必要な場合もあるため、手続きには時間と労力がかかります。事前にアカウント無効化管理ツールを設定しておくことで、この負担を軽減できます。

代行業者の活用については、自分で対応が難しい場合は専門の業者に依頼することも選択肢です。費用相場は基本料金5万円から10万円程度、パスワード解除は3万円前後から、スマートフォンの場合は20万円以上かかることもあります。複数の業者から見積もりを取り、悪質業者に注意しましょう。

生前対策の重要性も忘れてはなりません。デジタル終活を行い、エンディングノートにIDやパスワードの情報を記録し、家族と共有しておくことで、遺族の負担を大幅に軽減できます。定期的な見直しも忘れずに行いましょう。

デジタル社会の進展とともに、デジタル遺品の問題はますます重要になっていきます。自分自身のため、そして大切な家族のために、今からできる準備を始めることをお勧めします。

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