60代の終活において、運転免許証からマイナンバーカードへの身分証明書切替は、将来を見据えた重要な準備です。運転免許証を返納した後も、マイナンバーカードや運転経歴証明書を取得することで、公的な身分証明書として問題なく利用できます。60代のうちに切替を済ませておくことで、体力と判断力が十分にある段階でスムーズに手続きを完了でき、その後の生活をより安心して過ごすことができます。
本記事では、60代の終活として運転免許証の返納を検討している方に向けて、マイナンバーカードへの切替手順や運転経歴証明書の取得方法、2025年3月24日から始まる新制度「マイナ経歴証明書」についても詳しく解説します。身分証明書の切替に関する疑問を解消し、終活を前向きに進めるための情報をお届けします。

60代が終活を始めるべき理由とは
60代は終活を始めるのに最適な時期です。体力と判断力がまだ十分にあるこの時期に準備を始めることで、余裕を持って必要な作業を進めることができます。70代、80代になると、体力の衰えや健康上の問題から、終活に必要な作業が困難になることがあるため、60代のうちに取り組むことが推奨されています。
楽天インサイトが2024年1月に実施した調査では、60代の約8〜9割が「終活の意向がある」と回答しており、他の年代と比べても終活への関心が高いことがわかりました。定年退職を迎え、仕事から解放されて時間的な余裕ができるこの時期は、終活に取り組むのに絶好のタイミングといえます。また、子どもが独立し、夫婦二人の生活になることが多い60代は、生活の見直しを図りやすい時期でもあります。
終活とは、人生の終わりに向けて準備を行う活動のことですが、決して後ろ向きな活動ではありません。残りの人生をより豊かに、そして安心して過ごすための前向きな取り組みです。終活を行うことで、自分自身の人生を振り返り、これからの生き方を見つめ直すことができます。また、万が一の時に家族に迷惑をかけないよう、必要な準備を整えておくことで、自分も家族も安心できる状態を作ることができます。
終活で行うべき具体的な活動
終活における活動としては、「家の中の荷物整理」が48.1%で最も多く、「財産整理」や「データ整理」も重要視されています。
断捨離と身辺整理は、60代での終活では最も取り組みやすい活動です。長年の生活で溜まった不要な物を整理し、身軽な生活を目指します。物を減らすことで、日常生活の掃除や整理整頓が楽になり、転倒のリスクも減らすことができます。残された家族が遺品整理をする際の負担を軽減することにもつながります。
財産の管理と整理については、現在保有している資産や公的年金の収入などから、どのような暮らしが送れるかを考えることが重要です。介護にかかる費用や医療費なども確保しておくことが大切です。財産の管理と整理を行うだけでも、自身の資産状況が明確になるので、今後の計画を立てやすくなります。
エンディングノートと遺言書の作成については、相続トラブルを防止したいなら、遺言書を忘れずに用意しておくことが推奨されます。遺言書は法的な効力がある書面です。また、終活で行うべき準備や整理をまとめた「エンディングノート」を活用しながら、終活を少しずつ進めていくと良いでしょう。
デジタル終活については、インターネットバンキングやネット証券の利用が増えている今、大きな問題となりつつあります。ログインが必要なアプリやSNSについては、ログインIDやパスワードをエンディングノートに書き留めて管理しておくことをおすすめします。万が一の時に、家族がアカウントにアクセスできるようにしておくことが大切です。
運転免許証の自主返納制度の仕組み
運転免許証の自主返納制度は、運転免許が不要になった方や、加齢に伴う身体機能の低下等のため運転に不安を感じるようになった高齢ドライバーの方が、自主的に運転免許証を返納することができる制度です。令和6年(2024年)の運転免許の自主返納の申請件数は42万7,914件で、その6割を75歳以上が占めました。この数字は、多くの高齢者が自らの判断で運転を卒業していることを示しています。
免許返納を行う人の年齢は70歳から79歳が全体の49%となっており、約半数を占めています。免許返納をした人の年齢別で見ると、70歳から74歳が31.92%と最も多く、次いで80歳から84歳が21.00%となっています。平均年齢を算出すると79歳という結果になっており、多くの方は80歳を迎える前に免許を返納しています。
しかし、運動能力は人によって異なるため、「何歳になったら」というよりも、自身の運動能力で判断することが重要です。右左折のウインカー操作を間違えることがある、カーブをスムーズに曲がれないことがある、歩行者や障害物、ほかの車に注意を払えないことがある、車庫入れのときなどに塀や壁をこすることが増えた、などの兆候が見られたら返納を検討すべきタイミングといえます。
健康状態に関する兆候としては、視野が狭くなり障害物や歩行者などを見逃すことが多くなった、聴力が低下しクラクションや警告音が聞き取りにくくなった、手足が動かしにくくなりハンドルやアクセル、ブレーキの操作が難しくなった、注意力が散漫になりがちになった、などがあります。特に注意すべきは、75歳以上では「ブレーキとアクセルの踏み間違い」が10.7%と高い割合になっていることです。75歳未満では1.3%であることを考えると、高齢になると自動車の操作がうまくできずに事故になるケースが増えることがわかります。
70歳と75歳の免許更新における節目
70歳になると新たに高齢者講習を受講する義務が加わり、75歳になると記憶力や判断力の低下を確認する認知機能検査も必須となります。このように免許更新がより複雑化することから、身体機能が衰えていると自覚した人が、1度目ないし2度目の免許更新のタイミングで返納するケースが多いようです。
警視庁のアンケート調査結果によると、自主返納をしようと思ったきっかけの1位は「家族等に勧められたとき」で33%でした。高齢ドライバーの親御さんと離れて暮らすお子さんたちは、帰省の際などには積極的に親御さんの運転するクルマに同乗して、運転操作におかしなところがないかをそれとなくチェックするようにしましょう。
運転免許証返納のメリットと効果
高齢者が免許を返納する最大のメリットは、交通事故の加害者になるリスクがなくなる点です。自分自身の怪我を防ぐだけでなく、他者を傷つけてしまうリスクを避けることができます。
経済的負担の軽減も大きなメリットです。車の維持費が不要になり、自動車税、自動車保険料、車検費用、ガソリン代、駐車場代など、車を所有することで発生する様々な費用がなくなります。この節約できたお金を、タクシー利用や他の活動に充てることができます。
運転経歴証明書を提示することにより、高齢者運転免許自主返納サポート協議会の加盟店や美術館などで、様々な特典を受けることができます。運転免許を返納した方のうち、23.2%の人が「大変良かった」、52.1%の人が「良かった」との回答から、合計75%を超えるポジティブな評価が見られます。多くの方が返納して良かったと感じていることがわかります。
免許返納のデメリットとその対策
高齢者が免許を返納すると、これまで利用していた自動車が使えなくなり、移動手段がバスや電車、タクシーなどに制限されます。特に公共交通機関が発達していない地域にお住まいの方にとっては、大きな課題となります。しかし、多くの自治体では免許返納者向けの交通支援を行っており、タクシー割引や公共交通機関の割引サービスを利用することで、この問題を軽減することができます。
身分証明書の問題については、高齢者が免許を返納する際、身分証明書を失う不安を感じる方は少なくありません。ただし、運転経歴証明書やマイナンバーカードで対応可能です。これらの身分証明書への切り替えをスムーズに行うことで、この問題は解消できます。
運転経歴証明書とはどのような証明書か
運転経歴証明書は、運転免許証と同じサイズで、住所、氏名、生年月日、自主返納を受理された日などが記載され、身分証明書として生涯使うことができるものです。平成24年4月1日以降に交付された運転経歴証明書は、金融機関等において本人確認書類として有効なものと定められています。
運転経歴証明書は、自動車などを運転することはできませんが、公的な身分証明書として利用できるほか、提示することで、料金の割引などの支援措置を受けられることがあります。有効期限がなく、恒久的に身分証明書として利用可能という点が大きな特徴です。万一なくしたり汚したりした場合は再発行もでき、再発行時は手数料1,100円程度が発生します。住所変更などの記載事項変更手続きや再交付手続きを行うこともできます。
運転経歴証明書を申請できる方は、運転免許の申請取消し(免許証を返納)を受けてから5年以内の方、または免許が失効した方(申請日前5年以内に免許が失効し、現在受けている免許がない方)です。交通違反等により運転免許取消しとなった方は、運転経歴証明書の申請ができませんのでご注意ください。
運転経歴証明書の申請方法と必要なもの
運転免許の返納手続きを同時に行う場合は、運転免許証を持参すれば、本人確認書類は不要です。返納手続きを既に行っている場合は、申請者の住所、氏名及び生年月日を確かめるに足りる書類(住民票の写し、マイナンバーカード等)が必要です。
代理人による申請の場合は、写真1枚(縦3cm×横2.4cm、無背景、無帽、正面、上三分身、6か月以内に撮影)が必要です。また、代理人が委任を受けたことを明らかにする書面(委任状等)が必要です。代理人になることができるのは、身分証明書を提示できる18歳以上の方です。
証明書申込用紙は、警察署、交番、駐在所、及び各運転免許センターに備え付けてあります。また、専用の申請アプリを利用することで、インターネットからも申請できます。詳細な手続きは各都道府県によって異なりますので、お住まいの地域の警察署や運転免許センターに確認することをおすすめします。
証明書の交付手数料は都道府県により異なりますが、おおむね以下の通りです。
| 証明書の種類 | 手数料(目安) |
|---|---|
| 運転経歴証明書のみ | 1,100円〜1,150円程度 |
| マイナ経歴証明書のみ | 900円程度 |
| 両方取得する場合 | 1,250円程度 |
マイナンバーカードの概要と身分証明書としての活用
マイナンバーカードは、マイナンバー(個人番号)が記載された顔写真付きのICカードです。表面には氏名、住所、生年月日、性別、顔写真が記載されており、本人確認の際に身分証明書として利用できます。券面に顔写真が記載されている身分証明書であることから、1枚のみで本人確認が可能です。
マイナンバーカードは無料で発行できるため、余計な費用が発生しないのも大きなメリットです。2025年2月末時点でのマイナンバーカード保有率は78%に達しました。
マイナンバーカードでできることは多岐にわたります。表面は金融機関等本人確認の必要な窓口において本人確認書類として利用でき、パスポートの発給や銀行口座の開設など、様々な場面で活用できます。マイナンバー制度導入後は、就職、転職、出産育児、病気、年金受給、災害等、多くの場面で個人番号の提示が必要となり、マイナンバーカードがあれば、一枚で番号確認と本人確認が可能となります。
2024年12月2日から従来の健康保険証は新規発行されなくなりました。マイナンバーカードを健康保険証として利用することで、医療機関での受診がスムーズになります。また、マイナンバーカードのICチップを利用して、コンビニエンスストアで住民票の写しや印鑑登録証明書などを取得することができるコンビニ交付サービスも利用可能です。国税電子申告のe-Taxを利用する際には、マイナンバーカードがあることで入力する箇所が減り、確定申告が楽になります。
高齢者にとってのマイナンバーカードのメリット
高齢になり運転免許証を返納し、顔写真つきの身分証明書が手元になくなる方も多いです。マイナンバーカードは顔写真つきの身分証明書になるため、パスポートの発給や金融機関での口座開設などで、本人確認書類として使用できます。
2024年秋以降は健康保険証が廃止され、マイナンバーカードを後期高齢者医療被保険者証として使うことも可能になりました。これにより、医療機関での受診時に別途保険証を持ち歩く必要がなくなります。
マイナンバーカードの注意点
個人情報保護については、マイナンバーカードは個人情報保護の観点で取り扱いが難しいため、身分証明書として利用できない民間施設があります。また、作成したマイナンバーカードを紛失し第三者に悪用されてしまうと、個人を特定されるだけではなく、公的書類を取得されたり、所得額が閲覧されたりする危険があります。
マイナンバーカードを本人確認書類として使用する場合、写しを提出する際は表面(顔写真のある面)のみコピーの上提出し、裏面(マイナンバーが記載された面)は提出しないでください。
通知カードは、マイナンバーの確認のためのみ利用することができる書類です。一般的な本人確認の手続きにおいて利用することはできません。身分証明書として使用できるのはマイナンバーカードのみです。
マイナンバーカードの申請方法
マイナンバーカードの申請方法は主に3つあります。
オンライン申請では、申請サイトにアクセスしてメールアドレスを登録し、申請書ID(半角数字23桁)を入力します。スマートフォンやパソコンから24時間いつでも申請できます。郵送申請では、交付申請書に必要事項を記入し、顔写真を貼付して郵送します。窓口申請では、役所の窓口で直接申請することができます。役所の窓口では、写真撮影、必要書類の記入サポート、封筒に入れるところまでの補助など「申請のサポート」をしてくれます。ほとんどの準備は役所で完結します。
各自治体にてマイナンバーカード申請出張サポートを行っている場合もあります。申請から交付までは約1か月程度かかります。交付通知書が届いたら、必要書類を持って受け取りに行きます。
高齢者向けの特別な配慮
申請者本人が75歳以上で外出することが困難な場合、やむを得ない理由により来庁することが困難であると認められるため、マイナンバーカードを代理人に交付することができます。マイナンバーカードの交付申請書の記入が困難である場合については、介助者及び職員等の代筆のうえ、本人が押印を行うことで、有効なものとして認められます。
顔認証マイナンバーカードは、本人確認方法を顔認証又は目視確認に限定し、暗証番号の設定を不要としたマイナンバーカードです。マイナンバーカードを健康保険証や本人確認書類として利用したいが、暗証番号の設定や管理に不安がある方等が安心して利用できます。
マイナンバーカードの有効期限と更新手続き
マイナンバーカードの有効期間は、発行日から10回目の誕生日(18歳未満は5回目)までです。電子証明書の有効期間は、年齢問わず発行日から5回目の誕生日までに設定されています。
マイナンバーカード及び電子証明書は、有効期限が3か月未満になると更新が可能になります。有効期限を迎える方には、期限の2か月前から3か月前をめどに、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から「マイナンバーカード・電子証明書有効期限通知書」が届きます。
更新手数料については、有効期限の3か月前からの手続きは無料です。ただし、マイナンバーカードを紛失している場合は再発行の手続が必要となり、有料となります。有効期限の3か月より前の手続きは、有料となります(マイナンバーカード発行手数料800円、電子証明書発行手数料200円)。
有効期限が過ぎた場合には、マイナンバーカードを本人確認書類として使えなくなるほか、e-Tax等の電子申請やコンビニ交付、健康保険証等にも使えなくなります。有効期限が切れた後でも更新手続は行えますが、有効期限を経過したマイナンバーカードは失効し、新たなマイナンバーカードを受け取るまでの間、本人確認書類として使用できなくなります。
2025年3月開始のマイナ免許証とマイナ経歴証明書
政府は2024年10月29日、運転免許証とマイナンバーカードを一体化した「マイナ免許証」を2025年3月に導入すると閣議決定しました。2025年3月24日から、マイナンバーカードを運転免許証として使用できるようになります。
従来の運転免許証も引き続き利用可能で、「マイナ免許証のみ」「両方保持」「従来の免許証のみ」の3つの選択肢から選べます。マイナ免許証を選択すると、免許更新時の講習をオンラインで受講できるようになるなど、手続きの負担が軽減されます。
令和7年(2025年)3月24日のマイナ経歴証明書の運用開始により、運転経歴情報をマイナンバーカードに記録することが可能になります。返納や抹消手続きをされた方は、返納や抹消の手続後5年以内に「運転経歴証明書等」の申請をすると、免許証サイズの「運転経歴証明書」の交付、または運転経歴情報をマイナンバーカードに記録することができます。
これにより、免許を返納した方も、マイナンバーカード1枚で運転経歴を証明することができるようになります。運転経歴証明書を別途持ち歩く必要がなくなり、利便性が向上します。
運転経歴証明書とマイナ経歴証明書の選び方
どちらを選ぶかは個人の判断ですが、以下の比較が参考になります。
| 項目 | 運転経歴証明書 | マイナ経歴証明書 |
|---|---|---|
| 手数料 | 1,150円程度 | 900円程度 |
| 有効期限 | なし(恒久的) | マイナンバーカードの有効期限に準じる |
| 特徴 | 物理的なカードとして運転経歴を証明 | マイナンバーカード1枚に情報を統合 |
| おすすめの方 | マイナンバーカードの有効期限切れが心配な方 | カード類を減らしたい方 |
マイナンバーカードを既に持っている方や、カード類を減らしたい方にはマイナ経歴証明書がおすすめです。一方、マイナンバーカードの有効期限切れが心配な方や、物理的なカードとして運転経歴を証明したい方には、従来の運転経歴証明書がおすすめです。両方取得することも可能で、その場合の手数料は1,250円程度です。
免許返納後に受けられる特典やサービス
「運転経歴証明書」による特典を受けられるのは、原則として65歳以上の高齢者が対象です。令和元年12月1日から、運転免許を失効した高齢者の方も運転経歴証明書の提示により高齢者運転免許自主返納サポート協議会加盟企業の特典が受けられるようになりました。2025年3月24日から申請できるようになるマイナ経歴証明書でも同様の特典を受けることができます。
交通関連の特典として、多くの地域で公共交通機関やタクシー料金の割引や利用券の交付が受けられます。福岡県では公共交通機関の割引サービスが充実しているのが特徴で、多くのタクシー会社で運賃が10%割引で利用できます。またバスや鉄道で回数券や運賃半額などの支援がされています。
買い物や生活サービスの特典として、デパートの配送無料サービスや、帝国ホテルなど有名ホテルのレストランで料理や飲み物10%割引、はとバスでの観光割引や美術館などの入館割引があります。三越伊勢丹や高島屋といったデパートの配送無料サービスや、対象スーパーで会計より5%割引などの実用的なサービスも豊富です。
具体的な企業特典として、日本通運株式会社は引越の通常料金の10%割引を提供しています。帝国ホテル東京は直営レストラン・バーラウンジにて10%割引を提供しています。ビックカメラはメガネ・補聴器10%値引き、電動アシスト自転車5%値引きを提供しています。眼鏡市場はメガネ・サングラス・補聴器店頭価格より5%割引とメガネの無料洗浄・調整サービスを提供しています。ダスキンは全サービスが定価より10%OFFです。
金融サービスの特典として、銀行ではスーパー定期預金の金利優遇として、店頭金利+0.05%上乗せ(1人様10万円以上500万円以下まで)などのサービスがあります。車両売却関連の特典として、最低買取額保証として普通車55,000円、軽自動車11,000円(自走できる車に限る)や、無料出張査定、査定金額プラス20,000円(普通車)などの特典があります。
地域別のサポート制度
東京都については、警視庁の高齢者運転免許自主返納サポート協議会加盟企業・団体による特典一覧があり、弁護士相談や人間ドッグの割引なども含まれています。
大阪府については、運転免許証を自主返納し、運転経歴証明書を取得された65歳以上の方に対して、食事や施設利用料等の割引サービスといった様々な特典が受けられる「高齢者運転免許自主返納サポート制度」を設けています。
福岡県については、タクシー事業者による料金割引サービス、その他の交通事業者による料金割引サービス、自治体による公共交通機関の料金割引サービス等が提供されています。
埼玉県については、「シルバー・サポーター制度」があり、運転免許証を自主的に返納等した高齢者(65歳以上)が「運転経歴証明書」を提示することで、割引などの様々な特典を受けることができます。
京都府については、運転免許証を自主返納された65歳以上の高齢者を対象に、府内協賛事業所において特典サービスを実施しています。
お住まいの地域の特典については、各都道府県の警察本部のウェブサイトや、自治体の高齢者福祉担当窓口で確認することをおすすめします。
身分証明書の切り替え手順
ステップ1:マイナンバーカードの取得(未取得の場合)
まだマイナンバーカードを持っていない場合は、まずマイナンバーカードを取得することをおすすめします。申請方法は、オンライン申請(スマートフォンまたはパソコン)、郵送申請、窓口申請の3つから選べます。高齢者の方で申請に不安がある場合は、窓口申請をおすすめします。役所の窓口では、写真撮影から申請書の記入まで、サポートを受けることができます。申請から交付までは約1か月程度かかります。交付通知書が届いたら、必要書類を持って受け取りに行きます。
ステップ2:運転免許証の返納と運転経歴証明書の申請
運転免許証の返納と運転経歴証明書の申請は、同時に行うことができます。手続き場所は、運転免許センター、警察署(一部地域では交番・駐在所でも可能)です。必要なものは、運転免許証、申請用写真1枚(運転免許センターで撮影できる場合もあります)、手数料(運転経歴証明書1,150円程度、マイナ経歴証明書900円程度)です。
手続きの流れとしては、まず窓口で運転免許証の返納を申請します。次に、運転経歴証明書またはマイナ経歴証明書(もしくは両方)の交付を申請します。最後に手数料を支払い、証明書を受け取ります。2025年3月24日以降は、マイナ経歴証明書(マイナンバーカードに運転経歴情報を記録)も選択できるようになります。
ステップ3:各種届出の変更
運転免許証を本人確認書類として登録していた各種サービスの変更手続きを行います。銀行口座については、届出書類の本人確認書類をマイナンバーカードに変更します。窓口で手続きを行う場合は、マイナンバーカードを持参してください。保険会社については、契約内容の変更届を提出します。携帯電話会社については、契約者情報の本人確認書類をマイナンバーカードに変更します。その他、運転免許証を本人確認書類として使用していたサービスについて、順次変更手続きを行ってください。
マイナンバーカードを持っていない場合の対応
マイナ保険証を保有していない方には、これまでどおり保険診療を受けることができる資格確認書が、現行の健康保険証の有効期限内に無償で申請によらず交付されます。高齢者や子どもなどマイナンバーカードを持っていない方でも、資格確認書により安心して医療サービスを受けられます。資格確認書は、市区町村の窓口や健康保険組合を通じて発行してもらえます。
マイナンバーカードを持っていない場合でも、以下のものを身分証明書として使用できます。運転経歴証明書は、有効期限がなく、金融機関等で本人確認書類として使用できます。運転免許証を返納した方には最もおすすめの身分証明書です。パスポートは、顔写真付きの公的身分証明書として広く認められています。ただし、有効期限があり、更新には費用がかかります。住民基本台帳カード(住基カード)は、2015年12月末で新規発行は終了していますが、既にお持ちの方は有効期限まで使用できます。健康保険証は、顔写真がないため、他の本人確認書類と組み合わせて使用する必要がある場合があります。2024年12月2日以降は新規発行されなくなりましたが、経過措置により一定期間は使用可能です。
マイナンバーカードは無料で取得でき、10年間有効(電子証明書は5年)です。健康保険証としても使用でき、各種行政手続きがオンラインでできるようになるなど、メリットが多いです。特に60代の方には、今後の医療機関の受診や行政手続きを考えると、マイナンバーカードの取得を強くおすすめします。申請に不安がある場合は、市区町村の窓口でサポートを受けることができます。
終活における身辺整理のコツとカード類の整理
終活での断捨離を成功させるコツは「もったいない」を考えないことです。この「もったいない」という感情に振り回されると断捨離がスムーズに進まないため、できるだけ考えないようにしましょう。処分に迷う物は、保留にして数週間から数カ月保管を。時間を置くことで冷静に取捨選択ができるようになります。それでも迷うなら「今後一年間1度も使わなかったら処分する」などのルールを設けるのも一つです。
終活の一環として断捨離を行うメリットは、自身が亡くなったあとに発生する遺品整理の手間を減らせることです。60代のうちから断捨離をして、しっかりとものを減らしておけば、残された家族もスムーズに遺品整理を進められるでしょう。身の回りのものを減らし、整理しておくことで、体力が衰えてからも掃除や探し物がしやすくなります。また、物が少なくなることで転倒のリスクも減り、安全な生活空間を作ることができます。
終活の一環として、所持しているカード類を整理することも重要です。クレジットカード、キャッシュカード、ポイントカード、会員証など、使っていないカードは解約・退会しましょう。身分証明書についても、運転免許証を返納してマイナンバーカードに切り替えることで、所持するカードを減らすことができます。2025年3月24日以降は、マイナンバーカードに運転経歴情報を記録できるため、さらにカードを減らすことが可能になります。
まとめ:60代からの終活と身分証明書切替のポイント
60代は終活を始めるベストタイミングです。体力と判断力がまだ十分にある今のうちに、運転免許証の返納と身分証明書の切り替えを検討しましょう。
運転免許証を返納する際は、運転経歴証明書またはマイナ経歴証明書を取得することで、身分証明書の問題を解決できます。また、マイナンバーカードを取得していない方は、この機会に取得することをおすすめします。
2025年3月24日からは、マイナンバーカードに運転経歴情報を記録できる「マイナ経歴証明書」の制度が始まります。これにより、マイナンバーカード1枚で、身分証明、健康保険証、運転経歴の証明ができるようになります。
免許を返納することで、交通事故のリスクを減らし、車の維持費を節約し、各種特典を受けることができます。返納者の75%以上が「返納して良かった」と感じています。
終活は決して後ろ向きな活動ではありません。残りの人生をより豊かに、安心して過ごすための前向きな準備です。運転免許証からマイナンバーカードへの身分証明書切替は、その第一歩として最適な取り組みといえるでしょう。









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